* 最終電車はミステリー

劇団四季のミュージカルCAT'sをみにいった帰りの出来事だった ユミね 最終電車で帰ることになったんだ 最終電車って時間が遅いからなんだか怖いよね それでね ユミね ちょっと寝たフリなんかしていたんだ そのうちね ある駅でね 一人のオジサンが乗り込んできた おじさんはずいぶん酔っているようだった 大声を出したり暴れたりで騒がしかった 事件は突然起きたよ 電車がカーブに差し掛かり車体が大きく揺れたんだ そのときね 「ドン」っていうすごい音がした オジサンが仰向けに倒れたんだ それでね オジサンね 動かなくなったんだ さっきまで大声出してたのに急に静かになったんだ オジサンの急変ぶりに 場内があわただしくなったよ あるオバサンは車掌さんをよびにいった あるリーマンはオジサンに「大丈夫ですか?」ってしきりに声をかけていた でもね ユミだけは冷静だった 「これって間引き?」だなんて ユミ 余裕だったんだよ それから2分くらいしたら オジサンの意識は回復した オジサンは脳震盪を起こしたのかもしれないね ユミね オジサンが倒れたとき 床にメガネが落ちたことに気づいていた ユミはそのメガネを拾って オジサンに手渡してあげたよ 「はいどうぞ」ってね 最後のキメぜりふはやっぱりユミが言わないとね バイバイ ユミより