2000-09-10 ミュージカル李香蘭
千秋楽の公演を観てきました。あまりのすばらしさに涙腺緩みっ放しでした。「オイ,演劇鑑賞なんて粋な趣味あったのか?」と言われそうですが,プロの演劇を観たのは今日が初めてです(よって趣味というほどではない)。私は高校生のときに,「ミュージカル李香蘭」をテレビ放送で観たことがあるのです。そのとき「ぜひ生で観てみたいなー」と思っていたから,今日生で観たというだけのことです。
「五族共和のためだとか言い掛かりつけて他国に攻め入ったり,あちこちに植民地作ったりと,昔の日本人はよくそんなことができたな。」などと思いながら,その潜在能力は脈々と受け継げられているんだろうな,なんて考えると複雑な心境になります。終戦から半世紀が経って,社会は様変わりしましたが,悪いことに「器」(人間自身)はさほど変っていません。確かに戦後の科学技術は飛躍的に進展しましたが,個人の賢さはなんの進化もしていないのです。私はこの問題を解決する術を模索していますが,私の能力では来世紀初頭までに答えを出せそうにありません。
そういえば,会場で親子連れを数組見掛けたのだが,
「♪殺せ殺せ 裏切りものを 日本軍の手先となった 反逆者を殺せ殺せ 裁け漢奸を裏切り者を」とか,「裁け李香蘭を 死刑にするのだ」(※ここでの「漢奸(かんかん)」とは,第二次世界大戦で日本に協力した中国人のこと。)
といった歌は,子どもたちにとって少なからずトラウマになったかもしれません。銃殺の場面も芝居とはいえちょっとねえ。まあ,ヨソの子の心配しても仕方ありませんが。
おまけ
「李香蘭,満州国,満映ってなに?」という人のために資料を用意しました。理解をより深めたい人はご利用ください。 Excite Japan: 満州国 李香蘭