2001-08-16  音声収録ネタばらし

公開済みの[Windows Media 形式音声ファイル]:「おとなのシラネーヨ――シラネーヨの気持ち――」は,ヒッキーさん(宇田多ヒカルではない)がシラネーヨの本心を語るというお話です。これまで私は度々,2ちゃんねるキャラクターに声をあててきました。この頃ようやくそのノウハウが確立しつつあるので,実際の工程を順序だててお話します。

キャラクターの性格を想像する

はじめにキャラクターの性格を想像します。印象が曖昧なままでは仕上がりに影響するからです。ヒッキーさんは名前のとおり引きこもり少年です。お世辞にも明るい性格ではないはずですが,今回,私はあえて彼にやや明るい性格付けをしました。陰気な印象にもできますが,感情移入すると私の気分までジメジメ,真っ黒になってしまいます。

読み上げ原稿を作成する

読み上げる際の指示記号を原文に入れます。鼻濁音の表記方法は「標準アナウンス発音辞典(日本放送協会編)」を参考にします。具体的には「が」,「ぎ」,「ぐ」,「げ」,「ご」に各々,「か゜」,「き゜」,「く゜」,「け゜」,「こ゜」と読み仮名を振ります。例えば「午後」の読み方は「ごご」ではなくて「ごこ゜」です。

今回はこんな感じになりました。

ぼくにはシラネーヨの気持ち よく分かるよ

知ってることを「知ってる」って 自慢されたら

ちょっとィヤな気分になるよ

「ウザい奴だ」って いじめられるかもしれないよね

それなら「シラネー」って言った方が<か゜> 無難だよ

ぼくは知ってるよ ↑<語尾を上げる>

シラネーヨが<か゜>本当は何でも知ってること

でもひみつなんだ ←<軽快に>→ だれにも言ったことないよ

ぼくもィヤだからさ なんでも「知ってる」って自慢するのは

発声練習

いよいよ録音ですがその前に,真似ごと程度に発声練習をします。「あ,え,い,う,え,お,あ,お」っていうアレです。私は職業柄,普段あまり喋りません(げ)。発声練習しておかないとつっかえちゃって全然だめなのです。

録音

コンピュータに音声を取り込みます。私は「RolandのUA-100」というUSB接続のPCM音源を使っています。UA-100の音声変換機能で音声を加工しながら録音します。声のピッチはいろいろ変えられるのですが,今回は,変声期を迎えるか迎えないかくらいの少年風にしてみました。しかし,男声のような女声のような,子どものような大人のような,そんな声に加工するのは難しかったです。あれでもなるべく近づけたつもりなのだが,自然に仕上げられませんでした。どうも澄んだ質感が出せないんだよね。今後の研究課題です。

Roland UA-100

☆画像の説明:録音に使っている機材です。録音中はヘッドフォンを掛けて,音声を確かめながら喋ります。ダイナミック・マイクロフォンは廉価品を使っています。音声収録の知識がまだないので,どういう機材を揃えればよいのかよく分からないのです。