2002-10-20  また財布を拾う―前編―

こんばんは今日,市内某スポーツクラブに通う途中,某歩道でお財布を拾いました。私が財布を拾うのはこれで2回目です(1回目に財布を拾った話はyumi-ii/osanpo 18歳の夏「落としもの」※構築中にあります)。さっそく近くの交番に届けたのだが,またまた面白い出来事があったので長々と。

午後2時,私は市内某スポーツクラブに自転車で向かっていました。「今日は下半身の日。シーテッドレッグカールで145kg(くらい)の重りを押したり引いたりするぜ。オラオラ(ふめい)」と意気込んでいたのです。そうやってある歩道を走っていたときのこと,前方20m先を同じく自転車で走行している男性のポケットから何かが落ちました。「あれれ,なんだろう」と思って自転車を停めてみると,お財布と硬貨,鍵が散らばっていました。「あららあの人ったらお財布を落としたんだわ」と思って私は顔を上げました。男性はまだ50m先にいます。いまから自転車で全力疾走すれば追いつけそうです。「でもその前に落ちているものを拾わないと‥‥」と思って落ちたものを集めていたら,男性の姿は150m先にまで遠ざかっていました。「大変だわ」と思って自転車に飛び乗ったのはいいのだが,信号待ちしているうちに姿を見失ってしまいました。「またまた交番に届けにいくパターンになったわね」と思いながら私は近所の交番を尋ねました。

数分後,某交番に到着しました。窓からそっと覗いてみるとお巡りさんは巡回中とかで留守でした。交番内の机の上には「ご用の方はこの電話で呼び出してください」と書かれた電話機が置かれていました。おそるおそる受話器を持ち上げてみると呼び出し音が聴こえました。そして受話器から「はい中央署です」という男性の声がしました。事情を説明すると派出所に警察官を戻すからそのまま待っていてほしいとのこと。私は15分間,交番の椅子にお座りしました。待っている間,拾った財布の中身をそっと見てみました。現金は少ないけどカードがごちゃごちゃ入っているように見えました。そうやって時間を潰していると交番の前に軽自動車のパトカーが停まりお巡りさんが帰ってきました。ようやく拾得物の手続きが始まりました。

お巡りさんは私の名前,住所,年齢,電話番号を聞き出すと財布の中身を机の上に広げ始めました。中に入っていたものは「現金8,000円,ユーロ紙幣4枚,クレジットカード2枚,キャッシュカード2枚,矯正歯科医院の診察カード,某スポーツクラブの会員証,鍵が2本」でした。キャッシュカードと某スポーツクラブの会員証には顔写真が付いていたので,どんな人が持ち主なのか分かりました。32歳くらいでしょうかね。ユーロ紙幣を持ち歩いているところを見ると金融関係の仕事をしている人なのかもしれません(あくまで推測ですけど)。財布の中には本人の連絡先が直接,分かるものが入っていませんでした。お巡りさんは落とし主が通っているスポーツクラブに電話を掛けて,本人の連絡先を聞き出そうとしました。しかしスポーツクラブは電話番号を明かしませんでした。偽者のお巡りさんが個人情報を引き出そうとすることがあるからなのでしょう。結局,スポーツクラブが落とし主に連絡することになりました。数分後,落とし主から交番に連絡がありました。15分後に交番に来るとのことです。私はあることに気づいていました。「このお巡りさん市内某公園で会ったことがあるかもしれない」。

――つづく(かもしれない)