2004-03-27  某抗体検査受けてきました―前編―

某日,某感染症の抗体検査を受けてきました。某抗体検査の体験談を前編と後編に分けてお話します。今日は前編です。

あらまし

なぜ私が検査しなければならなくなってしまったのか,それは2月上旬から奇妙な体調不良が続いたからなのでした。自覚症状は咽の腫れと咽の異物感,それになんだか微熱もあるような気がしていました。いわゆる風邪に似た症状だったのです。

季節は冬であり,風邪に似た症状に悩まされることは珍しくありません。しかし今までに経験したことのない症状が1か月以上も続いてしまったため,私は「何かがおかしい」と悟りました。

小熊抱っこ事件

某感染症は名前のとおり,よそから感染しなけば成立しません。ばい菌は自然発生するものではありません。くどいようですがばい菌に接触する機会がなければ感染しないのです(注意:この文章では「細菌(<英>bacterium)」と「ウイルス(<英>virus)」の区別をせず,人体に悪影響を及ぼす有機物をひと括りに「ばい菌」と言っています)。

私には不覚にも心当たり,というほどではありませんが疑わしい出来事がありました。体調不良に襲われる1週間前,私は市内某ばい菌部屋を調査しておりました。もちろん調査が目的だったのですが,手ぶらで帰るのもなんだか物足りなくて(毒)私は小熊を抱っこしていたのです。

※某ばい菌部屋の休憩室にて。時刻は午前3時。

「ピンポーン」※入店したときの呼び鈴の音。

私 「あ,こんな時間なのにだれか来た。どんな子かな」

※まもなくして入店した人が脱衣後,シャワーを浴びるために休憩室の前を通り過ぎた。それは小熊であった。

私 「あれれ,小熊だ(ハート記号)」

※小熊がシャワーを浴び終え,暗闇の中へ。

私 「後を付いていってみよう。捕獲,捕獲っ(なぞ)」

※私は暗闇の入り口で小熊の様子を観察してみた。小熊はかなり慎重らしく,暗闇の中で動きっぱなし,立ち止まる気配がない。そのうち暗闇の中から出てきた。

私 「いまだわ」

※私は小熊の首もとを捉まえ,持ち上げた。ちょっとびっくりしたような顔をする小熊ちゃん。

私 「小熊ちゃんどうしたの。こんな時間にお母さんと逸れちゃいまちたか(なぜか赤ちゃん言葉)」

小熊 「ガルルー,ガルルー」

私 「通路で立ち話もなんだから,個室に移動しましょうね」

※私は小熊を抱っこして,某個室に移動。小熊はちょっと眠たそう。

小熊 「ウー,ウー」

※後で訊いてみたのですが,小熊は「柔道部」だと言っていました。道理で毛深くてがっしりしていたわけです。←漏れすぎ。

――というありさまだったのです(ふめい)。すごく意味不明ですがいつものことです(再三ふめい)。要点をまとめると私は小熊に触れてしまったのです。

ちょっと手と手が触れ合っただけで,目と目が通じ合った(なぞ)程度で某ばい菌は感染しないと言われています。しかしこの出来事以外に感染する原因は思い当たりませんでした。

いきなりオチなのですが,小熊を抱っこしてから3か月が経過していないので,いま検査してもあまり意味がありません。しかも電話にて検査日を予約した後になって,体調不良の原因が判明し解決してしまいます。小熊の抱っこは根本的に関係がないのです(話として面白いので載せただけです←なぞ)。

でも予約してしまったからには,検査をすっぽかすわけにはいかなくなりました。それに「私はばい菌部屋を調査しています」と公言しているからには,多かれ少なかれそういう疑いの目を向けられるのは当然のことです。疑いを晴らすためにも某抗体検査を受けることにしました。

検査日当日

検査する場所は市内某保健所です。なんでも朝10時~11時の間に,受付を済ませないといけないそうです。私はいつものように朝6時半に起床し,朝食を摂ってから身支度を済ませました。某ばい菌といえば虹色業界人です。「虹色業界人に負けない装いをしなければ」と思って,紫を基調にした服装をしてみました。なんだかとっても毒々しい格好だったのです。

「よしいいわ。紫外線対策したいところだけど,顔色が悪く見えるといけないから我慢しましょう」そんないつもの調子で,市内某保健所へ行きました。某保健所は自宅から歩いて5分の場所にあります。建物の中に入り受付けを済ませると番号札を渡されました。なんでも番号札を持って待合所に座っていればよいそうです。

待合所の長椅子には数人(10人未満)が座っていました。この人たちも検査を受けるのでしょうか。あまりじろじろ見てはいけないと思ったので,顔を確認しませんでしたが,服装の雰囲気からすると虹色業界人がほとんどのようです。虹色業界人はもう老人なのに子ども服を着ていたり,不自然に日やけした肌に子ども服を着ていたりするのですぐに分かるのです。

待合所のすぐ隣の部屋が検査室らしい。時折,看護士らしきおばさんが番号を呼び上げ,受検者を部屋に入れていました。検査は5分間も掛からないらしく,受検者は部屋に入ったかなと思ったら,すぐに出てきて待合所を後にしていました。

私には検査を終えた人の後ろ姿が,とても悲しそうに見えました。周りの目が気になるのでしょうか。中には逃げるように帰っていく人すらいました。おそらく不安で胸がいっぱいなのでしょう。そうです,「感染していないことを確認する」のと「感染していることを確認する」のとでは,気の持ちようがまるで違うというものです。私のようにかなり暢気に構えている人間もいれば,対照的に怯えながら検査に挑む人もいるはずなのです。だれもが,気楽な心境であるはずがないのです。

いよいよ私の番です

そうこうしているうちに,いよいよ私の番がきました。検査室に入るとセンセと思わしき男性と採血をする女性の二人が座っていました。

私 「おはようございます。よろしくお願いします」

お二人 「‥‥」

まったく挨拶しているというのに,返事がありませんでした。この人たちは社会常識がないのでしょうか。市役所や区役所の窓口もそうですが,この手の公共施設で働いている人に人間味を期待することがそもそも間違いなのでしょうか。いいえ,きっと受検者に余計な心配をさせないために口数が少ないのでしょう。そうでなければあの愛想の悪さを説明できません。

結果は1週間後

「検査」といいながら,検査室では採血されるのみでした。即日で分かる検査方法ではないそうで,結果は1週間後に分かるそうです。結果を聞きに行く話は「後編」でお話しましょう。