2024-01-07  某インターネットカフェ―不自然な隙間―

私は新年から始めています。昨晩,市内某インターネットカフェを調査してきました。

そのお店は駅前の一等地ではなくて,幹線道路沿いに存在します。そんな僻地のインターネットカフェで,一部のマニアたちがこっそり集まって楽しんでいるらしい。一体,何が行われているのでしょうか。

ジャイ子に遭遇

21時,現地に到着しました。インターネットカフェを利用するには,事前に会員登録が必要ですが,登録作業は近場の別店舗で済ませていました。私はどうでもいいことで計画的なのです。

店の外にて,漫画ドラえもんの「ジャイ子」のような人物が,店に入っていくのが見えました。20代後半,女のような男のような風貌の人物。ベレー帽を被ったら完全にジャイ子。

私は「こんな時間に何の用事?まさかデリヘル嬢?おかしな連中が集まっているって噂はどうやら本当のようね」と思いながら店のドアを開けました。

この店は入退場が完全に機械化されています。受付に店員の姿はありませんでした。私は部屋を選ぶために備え付けの端末を操作していたら,なんとついさっき入場したばかりのジャイ子が戻って来ました。(ジャイ子は退場手続きしていた。)

私は受付でジャイ子とすれ違った際に,ジャイ子はこちらを向いて一瞬,会釈したように見えました。私は「だれだよオマエ」と思いました。

不自然な隙間

私が選んだ座席は,喫煙可能(加熱式電子たばこのみ)のマット席です。マット席では靴を脱いで,足を伸ばして座ることができます。

喫煙可能な区域は,ほかの部屋とドアで仕切られていました。ドアを開けて中に入ってみたら独特の臭いがしました。換気不足のビデオボックスと同じ臭い。脱臭剤がそこらに置かれているのもビデオボックスと同じ。臭いの元,お客さんの種類が同じなのでしょう。

席に到着してみたら両隣の席はどうやら無人。席の中に入ってみたら狭すぎて閉口しました。座席というよりも巣穴という感じ。

さて,私はすぐに隣の座席との壁に不自然な隙間があることに気付きました。

隙間には,なぜか隙間風テープが貼られていました。店側が隙間を埋めるために貼ったものだと思いますが,こんなもの簡単に剥がすことができます。どこまで本気で対策したものなのか不明。

この隙間で覗き合いするわけですね。ずいぶん,まどろっこしいこと(なぞ)。状況は確認できたので,私はドリンクバーへ行くことにしました。

ジャイ子の巣穴

ドリンクバーにて,私はアップルティーを飲むことにしました。耐熱樹脂のマグカップにティーバッグを入れて,ポットのお湯を注いでいたら白髪の男性が現れカップ焼きそばの準備を始めました。

男性は着替えたのか部屋着のような,ゆったりとした格好をしていました。私が席へ向かう途中,似たような風貌の年配者を数名お見掛けしていました。幹線道路沿いのネットカフェに住んでいる人がいるのか分かりませんが,この人たちは一見して訳ありです。

私はマグカップを持ちながらマット席に戻ろうとしていました。すると,なぜかさっきのジャイ子の姿が。しかも帰路が一緒。一体これはどういうことなのか。

あろうことか,私の隣はジャイ子の巣穴だったのです。ジャイ子は席に座ると,「ふーぅ」みたいな安堵の声を上げていました。

私は急いで目張りを貼り直しました。さっさとお茶を飲み干して,荷物を抱えて席から脱出。座席移動の手続きをすることにしました。

マニアはマニアでも方向性が違うみたいなんですよね。この手の場所で様子がおかしいと思ったら早く逃げないと,どんな災難に襲われるか分かったものではありません。