2000-07-27 飽くなき卒論との戦い
今日のゼミはとても量が多かったです。お題は卒業研究。私は先生から,夏休み前までに4年生の卒論の原型を作ってほしいと頼まれていました。今日はそのベータ版を披露することになったのです。昨年も同じような経緯で4年生の卒論の世話をしたのだが,はっきり言って失敗でした。難しすぎたみたいで,あんまり分かってもらえなかったようなのです。
私が最初に考案したネタは,学術的な側面を重視したものでした。しかし,昨年の教訓を踏まえると,そのままでは彼らにとって難しすぎるのです。そこで理解の妨げになりそうな個所を事前に修正して,口当たりをよくしておきました(分かったような気になる小細工をしたということ)。さて,今日のゼミではその小細工が施された某アーキテクチャのお披露目をしたのですが(実演と解説を併せて40分間ほど),途中で「意図的に簡素化しているのではないか。」と勘繰られてしまい,その後の3時間にも渉る議論の末,結局元の設計に戻すことになりました。
しかしながら,元に戻しただけでは何の面白みもありません。今私は「工学的に高度でありながら,それでいて理解しやすい。」という一見矛盾するような要求を満足する仕様(=良い教材)に挑戦しています。卒論の下拵えはなかなか手間の掛かるものですね。