2001-12-12 トレンディードラマにこれだけの弊害
テレビ東京のWBS(ワールド・ビジネス・サテライト)をみたら職人さんの特集をやっておりました。なんでも現在の技能職人の人数は,高度成長期の半数にまで減っているそうです。さらに,若者の技能職人は10年前の1/4にまで激減しているそうです(うろ覚えなので間違っているかもしれない)。つまり職人さんの高齢化が進んでいて,技術を引き継ぐ若者がいないという話なのです。番組では,若者の職人が少ない原因はきつい仕事だからだと理由を付けておりましたが,私は若者がそのような職業があることを知らないからだと思います。
さて,諸悪の根源はいったい何でしょうか。それは民間テレビ放送局が制作しているトレンディー ・ドラマ(死後)の影響です。どうもあの手のドラマに登場する主人公たちは,きまって文系の職業なのです。ドラマを三つ挙げてみましょう。「東京ラブストーリー」「ピュア」「ビューティフルライフ」。どうですか。どれも主人公は非生産的な職業に従事しています。もちろん私はサービス業が悪いとはいいません。偏りすぎていることに問題があるといいたいのです。
その昔,ウルトラマンをみて育った子どもが「将来ウルトラマンになりたい」と切望したという笑い話はよく知られています。同じように「東京ラブストーリー」をみて育った少年が将来,ハートスポーツ(ドラマの主人公が勤務していた会社)に就職したいと願うのは至極,自然なことです。いまさら職人がいないと大騒ぎされても,過去にそのような選択をすべきだとメディアが仕向けたのですから当然の結果なのです。いまその弊害が顕著になっているだけなのです。それではどうすればよいのでしょうか。K村拓哉に「旋盤」を使わせるのです。T野内豊に「溶接」をさせるのです。月影マヤ(微妙に仮想人物)には「あゝ野麦峠」に出演してもらいます(ふめい)。これで製造業は安泰です。