2002-10-27  また財布を拾う―後編―

――「はみだしヨコ漏れ帳 20 OCT 2002 23:05 『また財布を拾う―前編―』」のつづきです。

数年前,市内某公園の警備が強化された時期がありました。隣接地域で殺傷事件が起きたとかで夜間,お巡りさんが公園を巡回していたのです(今年5月に事件現場付近を調査したお話は「yumi-ii/osanpo ショートレター 市内某所筆下ろし」にあります)。この交番の管轄地域には某公園も含まれていました。あの時期,私は園内で度々お巡りさんたちと顔を合わせていたのだが,どうもいま私の目の前にいるお巡りさんは,その中の一人のようなのです。「――アンタ,警察官が公園を巡回しているのによく堂々としていられるわね。その神経が信じられないわ」なんて思う人がいるかもしれませんが,そういう人は野外系を根本から誤解しています。なにしろ私,お風呂上りに涼むために,森林浴するために某公園をおさんぽしているのです。怪しまれるようなことは何もしていません。怪しいことをしている人たちを観察しているのです(なぞ)。

そんな数年前のことを回想していたら,お巡りさんは私に話し掛けてきました。やはり気づかれてしまったのでしょうか。

警察官 「以前も交番に来たことありますよね」

私 「いいえ,この交番に来るのは初めてですよ」

――やはり見覚えがあるのだろうか。――

警察官 「どのへんで働いているんですか?」

私 「○○区ですけど」

警察官 「会社名は?」

私 「そこまで答えないといけませんか」

私はやや強い口調で答えました。するとお巡りさんは以後,何も質問しなくなりました。そうこうしていると財布の持ち主が交番に到着しました。ご本人はかなり慌てたご様子でしたが,その日のうちに落とし物が返ってきて本当に良かったと言っていました。こうして私の2回目の交番デビューは幕を下ろしたのですが,ただ一つ問題がありました。時計をみたら午後3時をとっくに過ぎていたのです。某スポーツクラブの閉館時間はもう90分を切っています。これから出向いたとしても満足に筋トレの真似などできません。結局,私は筋トレの真似に失敗してしまいました。いやはやヨコ漏れです。