2010-07-08  報道されない怪ニュース“ドコモ、個人が開発した「アプリ」売買”

ドコモ、個人が開発した「アプリ」売買-データ通信収入の拡大へ
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0220100707aaag.html

docomoがAppleの「App Store」と類似のサービスを個人向けにも提供するというニュースなのですが,なぜか話題になりませんね。報道したのは,おそらく日刊工業新聞だけです。

日刊工業新聞のスクープ記事だったのでしょうか。

このニュースが本当だとすると,個人でもdocomoの携帯電話向けiアプリを有料で配信できることになります。「自分でゲームを作って配信したいけれど,どうやって課金すればいいんだろう?」と悩んだことがある人にとっては朗報なのです。

docomoにしては,思い切った決断だと思うのですが,なぜか話題になりませんね。(以下,省略。)

iアプリとは

最近,当たり前のことを説明すると,重宝がられるようです。iアプリに関して,私が知っていることを少し説明しておきます。

iアプリとは,2001年に発売された「DoCoMo Mova 503i」シリーズから登載されている機能です。iアプリは,携帯電話の中で動く小さなアプリケーションです。米国の「Sun Microsystems(サン・マイクロシステムズ)」が開発したJava技術を基盤にしています。

iアプリはiモードの拡張であり,公開・配信に関する思想はiモードとほぼ同じです。

iアプリでは,オープン性と安全性が重視されています。iアプリは,だれでも開発・公開することができます。配信するアプリをdocomoが検閲することもありません。

見ず知らずのiアプリをダウンロード・実行した場合でも,携帯電話本体の情報が消えたり,盗まれたり,携帯電話本体の動作が不安定になったりする危険はありません。(原理上,発生しないように設計されています。)

――こういう言い方をすると,なんだか素晴らしいもののように思えるのですが,実際には機能制限が多すぎて,ゲーム以外に有望なコンテンツは生まれなかったようです。

iアプリの最初のアーキテクチャが考案されたのは,おそらく1990年代後半だと思います。当時は,パケット通信料がとっても高額でしたし,通信速度も大して速くありませんでした。

そういう時代に,基盤ができてしまった技術は,時代の変化についていけなかったのでしょう。最近,流行のスマートフォンと比べると,どうも古臭くて,ぱっとしないわけです。