2011-06-26  市内地下サウナ―三助の安全日誌―

某日,市内パパの湯を調査してきました。

いきなりパパたちの群れに遭遇

21時,私は,いつものように受付でお金を払い,地下サウナへの螺旋階段を降りていきました。入り口のドアを開けると,そこではテレビの轟音とともに,パパたちの生々しい光景が繰り広げられていました。

ラウンジでパパたちが,お芝居の真っ最中だったのです。しかも,4人ぐらいが群がっているような状態で,かなり激しい行為が繰り広げられているようでした。

私も,ずいぶんと顔が知られたのでしょう。「あら,いらっしゃい」って感じで,パパたちは一瞬,こちらを向いたきり,ばい菌の培養を続行していました。

悪態をつく調査員

私は,ひと風呂浴びるとラウンジへ戻りました。さきほどのパパたちの姿は,すでにありませんでした。たぶん,ひと仕事終えて,さっさと帰ったのでしょう。

私は,自販機で缶ビールを買い,マガジンラックからスポーツ新聞を手に取りました。そして,椅子に腰かけ「しっかし,今日も碌なヤツいねーなー」と思いながら,ビールを飲み干しました。ひどい悪態をついていたのです。まさにドキュンだったのです。

でもね,その日は,本当に碌な顔ぶれではなかったのですよ。

さて,ビールの空き缶を捨てようと思って,ラウンジをうろついていたときのことです。浴室の入り口に張られている点検シートが目に入りました。そして,「おや?」と思いました。その点検シートは,三助の安全日誌なのです。

三助の安全日誌

ここでの「三助」とは,サウナの従業員であり,お風呂の世話係だと思ってください。

三助さんは,たまに見回りにやってきます。お風呂で倒れている人や,昇天している人がいないか確かめにいらっしゃるのです。もっとも,昇天している人は,あちらこちらにいるのですが(ふめい)。その際に,室内に散乱しているタオルや,ゴミを片付けていきます。

浴室の入り口には点検シートがあり,日付と時刻別に記名欄が書かれています。三助さんは,見回りをした後に名前を書くのです。ところで,その日,なぜかすべての点検欄が記名済みになっていました。まだ22時なのに,23時以降の点検欄にも名前が書かれていたのです。

私は,以前から三助さんが,たまに点検をさぼっていることに気づいていました。おそらく,あの人は,パパたちにあまり関わりたくないんだと思います。

過去に,トラウマになるような場面を見てしまったのかもしれませんね。何しろ,ここはパパの湯ですからね。

調査員の私ですら,ここの雰囲気に慣れるまでには,かなり時間が掛かりました。いまでは,慣れすぎて,後戻りのできない状態になっていますけれどね。いまさら,戻るつもりもありませんが(なぞ)。