2012-08-16  映画へルタースケルターの感想

昨日,市内の映画館で,へルタースケルターを観てきました。感想を少々。

冒頭から,沢尻エリカのおっぱいが,惜しげもなく晒されます。私は,びっくりしてしまいました。しかも,顔にいたっては,すっぴんに見えました。私は,これだけでも満足してしまいました。

昨日は,割引価格1,000円で映画を観たのですが,正味3,200円くらいの価値がある作品に思えました。

興奮しすぎて,話が逸れましたね。

この作品は,主人公のある台詞によって,すべてを説明できると思います。

「みんなが見たいものを見せてあげる」

――これに尽きるのです。

みんなが見たい沢尻エリカの美しい姿,みんなが見たい沢尻エリカの生意気なしぐさ,みんなが見たい沢尻エリカの乱れた性生活,これらがつぎつぎと展開されていくのです。

そして,最後には,一世を風靡した芸能人が廃れ,木っ端微塵になる姿が描かれるのです。

私,映画の良し悪しを語れるほどの事情通ではありませんので,監督の腕前であるとか,原作との比較がどうのこうの,という話はできません。

とにかく,この映画は,よく思われがちな芸能人やモデルの生い立ち,末路を,お望みの通りに見せてくれる,そんな作品だと思えました。

あえて不満を述べると

キリスト教の知識がないと,ダ・ヴィンチ・コードの話の1割も理解できないのと同じように,ヘルタースケルターは,整形手術を受けた経験がないと,肝心なところが理解できないように思えます。

整形手術を受けた経験がある方は,この作品では,ある重大な説明が抜けていることに気づくはずです。

整形を決意したときの,少女の心境にまったく触れていないのです。私は,ここがとっても気になりました。物足りないのです。

主人公には,過去に,芸能人になりたい,あわよくば芸能界の頂点に君臨したいという願望があったはずです。

その一心で,地方から上京,芸能事務所に飛び込んで, 全身整形を施された後,デビューしたわけですよね。

社長とやり取りしたと思うんですよ。

「整形手術を受けたらデビューさせてあげる。それが無理だというなら,芸能界は諦めなさい」(←桃井かおり風に読むこと)

少女の強い衝動が,手術を決意させたはずなのです。

その衝動は,殺意に似ているのかもしれません。

内面的なものですので,傍目には分からないものなのかもしれません。でも,女優なら,演じて見せてくれたと思うんですよね。

全身整形の正体

へルタースケルターは,ある有名芸能人の美貌は,全身整形手術によるものであって,その芸能人は,整形手術の後遺症に苦しみ続けるというお話です。

「全身整形手術」とやらが,具体的にどんな処置だったのか,かなり曖昧です。もしかしたら,作者もあまり考えていないのかもしれません。

作中で主人公が常用していた薬は,免疫抑制剤と向精神薬剤,鎮痛剤のようでした。

私が,顔の整形手術をしたときに処方された薬は,抗生物質(セファロスポリン系)と,ビタミンB12製剤(手術で切断された神経を修復するための薬),ボルタレン(痛み止め)でした。

服用する期間は短期であって,長期間飲むような薬ではありませんでした。

架空の話と,実話を比較することに,意味があるとは思えないのですが,そうは言っても,作中では,整形手術と術後の投薬を不気味に描きすぎているのが気になりました。

おそらく免疫抑制剤を飲むような整形手術は,実際には存在しません。

体の造形を整えるための整形手術と,若さを維持するための内科的な処置(プラセンタ注射のようなもの)が,ごちゃごちゃになってしまっていると思うんですよね。