2015-11-15  駅前便女物語―カランコロンの色眼鏡―

某日,市内某駅前便所を調査してきました。

私は,いつものようにお昼ご飯を食べ終えると,某マクドナルドへ「ノマド・ワーキングの真似(あくまで真似です)」をしに行くことにしました。

その途中,ある駅前便所の近くを通ったもので,ついでに便所を調査してみることにしました。

平日の昼間でしたので,便所は閑散としていました。そんな中,ある小便器に便女の姿が。少女は便器に張り付きながら,首を盛んに左右に振っていました。

私は,小便器の状況はだいたい分かったつもりになったので,つぎに便所の個室を調査したのですが,不審な気配はありませんでした。

「真昼間ならこんなもんかしらね」などと思いながら,便所の出入り口へ向かおうとしたときの出来事です。

さきほどの小便器に張り付いている少女の姿が目に入ったのですが,どういうわけか少女の顔から眼鏡が落下して,小便器の中へ落ちていきました。直後,「カランコロン」という乾いた音が,便所中に鳴り響きました。

眼鏡が落ちたのは,一瞬の出来事だったのですが,私の目には,とてもゆっくりと眼鏡が便器に吸い込まれていくように見えました。

少女は,びっくりしながらもすぐさま便器から眼鏡を拾い上げました。そして,手洗い場で,眼鏡を必死に洗い始めました。

普段,眼鏡を掛けている人なら分かると思いますが,眼鏡は,よほど激しい衝撃を加えない限り,勝手に顔から外れて落っこちるなんてことはまずありません。少女は,余所見しすぎていたのかもしれませんね。

さて,眼鏡を満足するまで洗い上げた少女は,何もなかったかのように眼鏡を掛け直して,さっきの小便器で「続き」を始めました。

私は,「この子は,本物の便所中毒だわ。将来有望ね。いや,手ぐすね引いて待ち構えているものは,絶望かしら(なぞ)」と思いながら,帰ることにしました。