2016-06-26  某飲み屋さん―奇妙なナゾナゾ大会―

ある土曜日,隣町の某飲み屋さんに行ってきました。

移転しました

日中,まずお店の場所を下見することにしました。

土地勘のない地域でございますので,日が暮れてから行き当たりばったりで尋ねようとしても,お店にたどり着けない気がしたのです。

15時,Googleマップを見ながら歩き回っていると,お店が入居している(はずの)建物に到着しました。お店の看板を発見したので,ドアの前まで行ってみたら思わぬ展開が。

ドアに,「移転しました」という張り紙が貼ってあったのです。

5月に,200mほど離れた場所に移ったのだそうです。張り紙には,手書きの地図が描かれていました。地図をXperia SO-01Cのカメラで撮影。

撮影した画像を見ながら,移転先へ行ってみることにしたのですが,何しろ土地勘のない地域のため,手書きの地図(しかも出来がよくない)を眺めても,どこへ行けばいいのかさっぱり分からない。

しかも悪いことに,SO-01Cの「ギャラリー」アプリは,画像を表示したまま本体を傾けるとクルクルと画像が回転してしまいます。自分がいま向いている方角と,表示した地図の東西南北が滅茶苦茶になってしまうのです。

(事後に本体の設定項目に,「画面設定→画面の自動回転 ON/OFF」があるのを発見するのですが,悲しいことにそのときは気付かなかったのです。)

そうやって,スマートフォン上に表示した地図はクルクルと回り,私も同じような場所をグルグルとさ迷うこと数十分,ようやく移転先にたどり着くことができました。

いずれにしても,明るい時間に下見をしておいて大正解でございました。

一杯おごらせて

21時半,いよいよお店を訪ねてみました。

事前情報に依ると,そのお店は60代のママと,同じく60代の店子ふたりで営んでいるそうです。

「会員制」と書かれたドアを勢いよく開けて中に入ってみると,カウンターの奥に60代のオジサマが独りいらっしゃいました。どうやら,この人がママらしい。お客さんは,隅っこに一人だけ。店子の姿はありませんでした。

店内はどんよりとしており,かなり暗い。

私は,「こんばんは」とご挨拶した後,どこに座ればいいのか尋ねてみました。空いている席ならどこでも良いよって言われたので,カウンターの真ん中の席に座ることにしました。たびたびお話ししておりますが,私は真ん中の席が大好きなのです。

ママから「飲み物は何にします?」って聞かれたので,生ビールにしてもらうことにしたのだが,そのとき思わぬ事態に遭遇。

隅っこに座っている人が,「いま来た人に一杯おごらせて」と言ったのです。

私は,「ありがとうございます」と言いながら(唐突でびっくりしていたので,いつもより半音高い声だったのかも),隅っこの人の方を向いてみると,けっこうなご老人でした。何時から呑んでいるのか知りませんが,かなり出来上がっているご様子。

その人は,70歳だそうです。自称70なので,本当は何歳かなんて分かりません。

奇妙なナゾナゾ大会

私は,その「70の子」にお名前を尋ねてみました。すると,「センリュウ」って答えたんですよね。

「川柳?それとも別の言葉かしら。聞き違い?」と思いながら,ママの顔をチラッと(本当にチラッと)見たところ,何とママは,「そいつに構うな」という形相をしているではありませんか。

私は,「うわっ,しまった(びっくりマーク)」と思いましたが,私だってそこそこ場数を踏んでいるのです。

じゃ,センちゃんってことにするね。センちゃんは今日,何時から呑んでたの?」などと,アニメ名探偵コナンのコナン君みたいな口調でお話を始めることにしました。

もうね,その瞬間から,今日はコナン君のキャラで行くことに決めたの。

何しろ一杯おごられてしまったので,無視するわけにもいかないのよね。せめて,その一杯を飲み干すまでの間は,親身にしてあげないと。

センちゃんとは,まったく会話が成立しませんでした。質問しても答えが返ってこない。そのうち,センちゃんはひとりで奇妙なナゾナゾ大会を始めたのですが,まったく話の辻褄が合わなくて,九官鳥と話しているみたいでした。

センちゃんは,天地が分からなくなるくらい酔ってしまったらしい。たまに,椅子からずり落ちていました。ママは,センちゃんのボトルをドバドバと拝借する有様で,まだ21時台なのにこのカオス状態。

私は,二杯目をウーロン茶にして,状況を静観することにしました。

22時を過ぎるとお客さんがゾロゾロと集まり出したのですが,60代から70代の常連客ばかりが総勢5人で,新鮮な話題があるわけでもなく,惰性で来店しているだけに見えました。

話すのが遅れましたが,そのお店は「老×老」なので,当然といえば当然なのですが,想像以上に苦痛でございました。