2022-07-26 緊急タイマン勝負―ナンパ師対調査員―
某日の夜間,市内某路上にて,通りすがりの美女をナンパしている一人の男性を見つけました。
その路上は,むやみに人様に声掛けすると,市が規定している条例違反になるとかで要注意の場所なのです。
ナンパ師の年齢は,20代後半から30代半ばくらいでしょうか。服装の雰囲気から25歳以下の若者ではない。髪はグレーに染色しており,かなり派手。背格好は,私がよく言っている小熊みたいな方でした。
私は「この小熊,条例のこと知らないんだろうな」と思って,歩きながら美女を口説いている小熊に軽く注意してみました。
小熊「え?ダメなんですか。どうしてですか」
みたいな出だしでタイマン勝負が始まりました。小熊の口調はすこぶる丁寧。さすがナンパ師だなと感心してしまいました。さて,歩きながら1分くらい喋ったところで小熊はこう切り出して来ました。
小熊「ところでお兄さん」
私「?」
小熊「一緒にナンパしませんか?」
私「‥‥」
私は大切なことを忘れていました。小熊系の人は常に◎欲に支配されています。◎欲を満たすためなら手段を選びません。用心していないと,とんでもないことを言い出すのです。
それでもたったひとつ,この小熊に共感する事柄があったのです。それは「お兄さん」という呼び方。私も日常の場面では,中年女性に対して分け隔てなく「お姉さん」って言います。
さて,仮に冗談でナンパに付き合っていたら,何が起きたでしょう。きっと私だけ迷惑条例違反か何かで警察にパクられたでしょうね。若者が年上に期待していることは,金銭の支援か困りごとの処理が関の山。対等な関係では決してないのです。
私は伊達に場数を踏んでいません。「こりゃ,つぎは本格的な攻撃が始まる」と危険を察知し小熊から離れ,事なきを得ました。
ちなみにその後,美女がどうなったのかは知らない。美女はパっと見,若そうでしたが,髪の毛のハリ・コシの雰囲気からいい年をしたお姉さん。たぶんお菓子が主食。