2022-10-11  おもしろ無線受信が瀕死の状態

土曜日,市内紀伊国屋書店にて三才ブックスの「おもしろ無線受信ガイドver.21」と「周波数手帳ワイド 2020-2021」を購入しました。

9月下旬からアマチュア無線を再調査しているのですが,ついでに電波受信の現状も調査が必要ということになり,手っ取り早く状況を把握するために専門誌を眺めてみることにしたのです。

おもしろ無線とは,テレビ・ラジオの放送以外の無線通信のことです。三才ブックスがこの趣味に充てた名称だと思われます。だれにでも言って分かりそうなものは警察無線,消防無線,航空無線あたりでしょう。

現在,おもしろ無線は通信のデジタル化に押されて,受信できるジャンルがほとんどない状態になっています。

私が住んでいる地域に限った話ですが,自室ではバス無線しか受信できないように思えました。バス無線というのは,都市間高速バスであれば「XX人乗車で発車します」だとか「5分遅れです」みたいなちょっとした業務連絡。

外に出ればまだ聞ける無線局はありそうですが,無線だったら何でもいいわけではありません。この業界もひとりひとり楽しみ方が違うのです。

無線機器会社の苦悩

アルインコという会社名を聞くと,金属製の梯子を連想する人がいるかもしれません。昔から無線機器も製造しています。

アルインコの広帯域受信機に関する「よくある質問とその回答」を眺めていたら,面白い質問があったのでご紹介しましょう。

それは「放送以外に何も聞こえません。故障でしょうか」といった内容。

無線の知識が多少でもある人なら,びっくりする質問なのです。「どうして?」という人のために理由を少々。

  • テレビやラジオの放送とは違って,無線局が常に電波を送信しているわけではない。電波が送信されていないときに受信しても何も聞こえないのは当たり前
  • テレビやラジオは条件の良い場所にアンテナが設置されていて,しかも電波の送信出力がかなり強い。受信しやすいように工夫されているが,それ以外の無線局はそんなの知ったことではない
  • 受信機に接続するアンテナは周波数帯域ごとに変える必要あり

ほかにも無数にありますが,切りがないので割愛。

とくにアルインコの受信機は携帯型ですから,電波の発信源に歩み寄って受信するのが正しい使い方なのです。電波がいつ送信されているのかは,自分で事前に調べておく必要がある。

いまの時代に求められているのは,蓄積したデータを再生する装置なのでしょうね。

せいぜい登録するのは「自分の居場所」くらいで,周波数ごとに過去の通信一覧が表示されてそれを選択すると聞けるみたいな。そんなもの無線の受信機ではありませんが,ど素人相手にはそれくらいお膳立てしておかないと「どうして聞けないんだ!」と立腹するわけです。

法律上,無理だし技術的にも困難ですが,どうやったらできるようになるかを考えてみるのが面白いと思いました。