2023-10-20  ヴァーチャルY兄貴―ただ食い王子の仕事―

いきなりだが無銭飲食したことあるか?

おっす,忘れた頃に再登場,ヴァーチャルY兄貴だ。オラオラ。

俺は先週の日曜日,飯屋で昼飯を食っていたら無銭飲食の現場に遭遇したぜ。

犯人は23歳くらいの兄ちゃん。その店の座席はU字型のカウンターテーブル。そいつは俺の目の前の席に座っていた。悩みでもあるのか,うだつが上がらない感じの風貌に見えた。

「ずいぶん浮かない顔してるな」と思っていたわけだが,事件はそいつが飯を平らげた直後に起きたぜ。

丁度,会計を済ませて帰ろうとしている客がいたのだが,兄ちゃんはすっと立ち上がり店の自動ドアが開いた隙に一緒に外に出てしまった。あっと言う間の出来事で,溺れて沈んだかのように兄ちゃんの姿は店の外の通行人に紛れて見えなくなった。

店内にいた俺以外の客は,だれも無銭飲食に気づいていないようだった。もちろん従業員も。平和なもんだな。

俺は会計のときに,「そこに座っていた兄ちゃん,金払わないで帰ったよ」と従業員に伝えたら苦笑いしていた。教えてもらったからといって,今更どうするって話でもないからな。せいぜいやれることは,ほったらかしの伝票を回収して食器を片付けることくらいだろう。

内緒の話だが,俺は過去にうっかり財布を持たずに喫茶店で飯を食ってしまったことがある。店の従業員に「金がない」と話したら,「お金がないなら今日は払わなくてもいい」と言われてびっくりした。そういうものなのか?

ところがだ,上着のポケットに小銭が入っていることに気付いたんだな。500円玉と100円玉数枚が出てきたので,飯代を全額払って帰ることができたぜ。世の中捨てたもんじゃねーな。オラオラ。