1999-11-17  アルゴの恐怖

丸善で「R.セジウィック著:アルゴリズムC++」(近代科学社)という本を購入しました。この本は業界の人の間ではかなり有名でして,私も図書館で何度か借りたことがありました。この頃,枕元で捲る機会が多くなってきたので,思い切って購入に踏み切ったというわけです。

興味がある人がいるかもしれないので,雰囲気を説明しておきましょう。この一冊に古典的アルゴリズムのほとんどすべてが網羅されています。図の洗礼さもさることながら,解説もかなり丁寧で好感が持てます。プログラムはC++で書かれていますが,オブジェクト指向の知識*1はあまり必要ありません。ALGOL系言語を理解できる人なら,だいたい通じると思います。「コンストラクタ,デストラクタ,アクセス指定子,メンバ関数,inlineキーワード」といった語句に拒絶反応を起こさない人なら大丈夫です。

(R.セジウィックさんの話はこのへんで終わりにしておいて)

さて,私が行き付けの本屋さんは,旭屋書店と丸善です。学校帰りにはヨドバシカメラがいちばん近くて便利なんだけど,ヨドバシの書籍コーナは話になりません。めぼしい本が皆無なのと,仮にあったとしても見つかるように陳列されていないのです(分類に首尾一貫性がなさすぎる)。意外かもしれませんが,ヨドバシに比べたらT-ZONEはかなり軽症な方です。T-ZONEの書籍コーナはわりと真っ当に分類分けできているんですよ。

もっとも旭屋や丸善でも,分類分けがちょっと変かなと思うことがあります。この前も旭屋書店で,TRONとパーセプトロン(パターン識別機械)の本が同じ棚に置かれているのを見つけてしまいました(なんだか笑えた)。

(なぜ「笑えた」のか自分でも怖いんです。やはり私の職業病は頂点に達しているんでしょうね。この頃は“りはびり”も捗りません。いえ,進みすぎてだれにも止められないんです。)

*1 知恵は必要です。なお「知識」と「知恵」は違うものです。

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1999-11-11  Wsh クイックリファレンス

先月,株式会社オライリー・ジャパンから「Wsh クイックリファレンス」という本が発行されたのだが,購入された方いるでしょうか。今日,学校帰りにヨドバシカメラの書籍コーナで立ち読みしてみたけど,ちょっと期待外れでした。「わかるエクセル」とか「できるホームページ」とか,そういう類の本に近いみたいで,どうも熟読玩味に堪える文章ではなさそうなんですな。

サンプルプログラムも「Hello World」程度*1のものばかりで,ほとんど役立ちそうにありません。Wsh(Windows Scripting Host)がWindowsから生まれた処理系*2だからといって,あの扱いは酷すぎるんじゃないかしら。そもそもマイクロソフト純正のマニュアル(MSDN ライブラリ)の完成度が高いから,副読本なんて必要ないのかもしれませんね。

*1 「Hello World」とは初歩的なプログラムに取り沙汰される例題のことです。サーチエンジンで「Hello World」を検索してみると,さまざまな「Hello World」 に出会うことができます。

*2 正確には「処理系」という表現は不適切かもしれません。なぜって,「Windowsスクリプティングホスト」はスクリプトホストとスクリプトエンジンの二つの要素から構成されるのだが,スクリプトエンジンは言語非依存だからです。将来的にはPerl,TCL,REXXでもWindowsを操れるようになるみたい。

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1999-11-03  松たか子への挑戦状

自宅の冷蔵庫を買い替えることになりました。どうもファンの調子が悪いらしくて,数週間前から黒板を爪で引っ掻いたような轟音を発し続けているのです。もちろん自分で修理しようとしてはみたのだが,さすがに冷蔵庫は手ごわいです。如何せん物が大きすぎるので,分解することさえできませんでした(無理に分解して元に戻せなかったら大変なことになります)。

今日は,ヨドバシカメラで冷蔵庫のカタログを見繕ってきました。お家に帰ってコーヒなんぞを飲みながら各社のカタログを眺めていたのだが,ナショナルのカタログで素敵な一文を見つけてしまいました。

「National 1999年秋 冷蔵庫総合カタログ」 pp.7 より引用。

「National 1999年秋 冷蔵庫総合カタログ」 pp.7

Smart(おまかせ)コントロールとは

庫内外の温度や冷却システムの状態をよりきめ細かく検知、湿度変動を予想し、最適な状態に制御します。ディスプレイなどの表示によるムダな待機電力も使わずに、見張らなくても、冷蔵庫にまかせて新鮮に保存できます。

<引用注>文字列の強調処理は私が施しました。

この「見張らなくても」という語句に,ぼくの右眉毛はピクピクしてしまいました。たしか,「見張る」ことを謳い文句にした冷蔵庫があったような気がします。

「TOSHIBA 冷蔵庫 総合カタログ1999年秋号」 pp.8 より。

「TOSHIBA 冷蔵庫 総合カタログ1999年秋号」 pp.8

そうそう,東芝の冷蔵庫です。東芝の冷蔵庫には「みはりパネル」なるものが備えられていて,庫内の状態を見張ることができるのです。ナショナルのカタログでは,この「みはりパネル」が余計だとか電気の無駄であると言っているのです。

こんなふうに,あからさまに他社製品を蔑(さげす)むなんて,日本のメーカにしては珍しいですね。そもそも,東芝のイメージキャラクターといえば松たか子。つまりナショナルは松たか子に挑戦状を叩きつけたことになるのです。なんて怖いもの知らずなんでしょう。私には絶対に真似できません。

話がだいぶ逸れてしまいましたね。結局どの冷蔵庫を選んだのかというと,「ナショナルのSKIT冷蔵庫」にしました。私が一消費者として,冷蔵庫を選ぶ際に重視した事柄を挙げてみましょう。一に設置面積。二に低消費電力。三に環境対策なのです。ナショナルの冷蔵庫は,これらの基本をしっかり押さえていました。おみごとです。

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