2001-07-04  術後日記―その15―

神経の痺れの具合がよくなってきました。暖かな日々が続いているせいかもしれません。術後の経過は安定しているので,取り立てて話題らしい話題はないのですが,今日は入院と術後の心境の変化のお話をします。

入院は気持ちがいい

入院生活は苦痛なのでしょうか。いいえ,むしろ気持ちがいいくらいです。整形手術の患者は,病人ではなくて怪我人です。元々,内蔵が悪くて入院しているわけではないので,術後,驚くほど早く回復します。顔の修整は傷の程度が知れているからなおさらです。病院食は完璧です。カロリー,栄養バランス,まったく文句の付けようがありません。私は基礎代謝の量を加味して,通常の熱量に300キロ・カロリーほど追加された食事(400キロ・カロリーだったかもしれません)を摂っておりましたが,太りもしなければ痩せもしませんでした。

抗生剤の点滴を引き摺って院内を歩く姿は,傍から見て痛々しいかもしれません。しかし,薬物の効果は絶大です。毎日とても体調が良いのです。

ほかの場所もイジりたくなる

整形が趣味という人がいるようですが,私はそのような心境を理解できます。実際,一箇所いじると,ほかの個所との釣り合いが気になってしまうのです。すでに均整が取れているはずなのに,何となく気に入らないのです。私の経験をお話すると,術後しばらくの間,鼻の部品が不恰好で浮いているように感じました。その錯覚がどうしようもない嫌悪感に達したとき,何度も手術するという行動に走るんだと思います。修整すればするほど自然なカタチから遠ざかってしまうはずですが,おそらく気に掛からないのでしょう。修整前の顔は思い出せませんから,相対的な比較しかできません。再手術に踏み切る理由も,「ただ何となく気に入らないから」なのではないでしょうか。

興味のある方は

文献を紹介します。「市田正成 著,谷野隆三郎・保阪喜昭 編,『美容外科手術プラクティス』,文光堂,2000」(http://www.bunkodo.co.jp/pdf/pdfbiyogeka.html) がとくに分かりやすいです。私は暇なとき,丸善で立ち読みしています。