2002-03-29  術後―12か月―

下顎の整形手術を受けて12か月が経過しました。この頃の術後の経過を報告します。

現在の様子

神経障害が残っている以外にとくに変わったことはありません。手術したのが遠い昔のことのようです。

頭部側面のレントゲン写真:術後12か月後 頭部側面のレントゲン写真(患部を拡大):術後12か月後

☆画像の説明:術後12か月後の頭部側面のレントゲン写真です。その筋の人が見れば下顎の曲面がおかしいことに気づくのですが,素人目にはどこをどう整形したのか分かりません。以前,公開したレントゲン写真にはチタニウム・プレートが写っていましたが,いまはありません。術後10か月後に患部を切開しチタニウム・プレートを摘出したからです。歯の個所に白く写っているのはインレイ(歯の詰め物)です。感光しなかった個所(すなわち放射線がフィルムに到達しない個所)は白く写ります。

回復の変遷

術前,術後の患部の経緯をおさらいしてみます。

下顎左正面:術前

☆画像の説明:手術を受ける前の下顎左正面です。

下顎左正面:術後1か月

☆画像の説明:手術では下顎を切断し位置を修正しました。切断面は金属製固定具(チタニウム・プレート)で固定しました。この写真は術後1か月後の患部です。まだ切断面がはっきりと分かります。

下顎左正面:術後6か月

☆画像の説明:術後6か月後の患部です。骨が再生され切断面が目立たなくなりました。

下顎左正面:術後12か月

☆画像の説明:術後12か月後の患部です。切断面はほとんど分からなくなりました。チタニウム・プレートはすでに不要なため,術後10か月後に患部を切開し摘出しました。ところで,術前の骨の形と比較すると曲面が明らかに凸凹しています。曲面が滑らかになるまでには,まだ時間が掛かるそうです。

神経障害は完治せず

術後直後から私を悩ませていた神経障害はいまも残ったままです。術後から数か月の間,神経の回復を促すためのビタミン剤を処方されていましたが,現在は治療らしい治療はしていません。術中に傷つけられた神経は縫い合わせてあるらしいのですが,それが完治するかどうかは分からないそうです。私は手術を受ける前に同意書に署名しました。同意書に書かれていた留意事項は「術中に他人の血液を輸血することがある」,「術中,麻酔事故で死ぬことがある」,「患部に後遺症が残ることがある」というものでした。私はこれらに同意しましたし,神経障害の後遺症はすでに日常生活に支障がない程度には回復しています。ですからあとは症状が緩和するように,苦痛にならないように自分で工夫するしかありません。

いま私は神経障害を克服すべく表情のレッスンをしています。神経障害の程度は微々たるものなのです。それでは何が問題なのかというと,顔の筋肉を動かしたときにその移動量を正確に知ることができないことです。そこで鏡の前でさまざまな表情をして,どれだけ筋肉を動かせばどういう表情になるのか視覚情報で記憶します。このメソッド(method)はすでに完成されています。どこがどう麻痺しているのか分からないほど自然な表情を作ることができているはずです。

神経障害は完治していないものの,私は治療結果に満足しています。「交通事故に遭うのが怖いから,自動車は運転しないし自転車にも乗らない」という生活は味気ないものです。なにひとつ矛盾がなく安全で整理された世界では,まるで生かされているだけのようなのです。私は生きているのか死んでいるのか,自分で決めることすらできないブサイクにはなりたくないのです。