2004-05-31  2004年東京大調査3日目―調査員の挑戦そして挫折―

――つづき

【お断り】本文にはあたかも「JR京葉線に乗った」ように書いてあるのですが,手元の記録では「武蔵野線快速に乗った」ことになっており,「京葉線」と「武蔵野線」がごちゃごちゃになっております。どうも双方が東京駅の同じホームに乗り入れているらしいのだが(これも未確認),詳細を調査するまで時間が掛かりそうです。後で調べておきますので,今日は「武蔵野線」の記述を省かせていただきました(いい加減)。

私は上野駅からJR山手線で東京駅へ向かいました。東京駅で初めて気づいたのだが,京葉線のホームってとんでもなく離れているのですね。天井からぶら下がっている案内板にも,「この先600m」などと平気で書いてあったような気が。これは罠に違いありません(ふめい)。理不尽なお仕置きに違いありません。でもこの程度の仕打ちで音を上げるようでは,調査員は務まりません。私は颯爽(さっそう)と動く歩道を渡り歩きました。

東京駅の京葉線ホームは地下にありました。某公園の上を通過するらしい電車がたまたま停車していたので,私は勢いよく乗り込みました。電車が発車してから気づいたのですが,いきなり地上に出るのではなくて,しばらくは地下トンネルを走り続けるのですね。あとで調べて分かったことですが,あの地下トンネルは「成田新幹線」が計画されていた時代に作られた設備を流用したものだそうです(成田新幹線は実現されず,1987年に計画そのものが失効したそうです)。

時刻は16時をすぎていました。地下トンネルを走り続けていた電車がいよいよ陸に這い上がり,夕刻の柔らかな日差しが車内に広がりました。電車は高架の上を走っているらしく,どうやら周りは海のようです。そろそろ某公園を観察できるはずなのですが,一体どこにあるというのでしょうか。事前情報には不足があり,公園が電車の進行方向の右側に現われるのか,左側に現われるのかすら分かっていませんでした。調査員である私は焦り始めていました。

乗客に怪しまれないように景色を凝視し続けて数十秒後,左手の車窓にそれらしい緑地を発見しました。あれが某公園なのでしょうか。それにしても離れすぎです。双眼鏡でもないとまともに調査できないくらい距離があったものだから,私の吊革を掴んだ腕はガクンと折れました。調査員の挑戦は見事に失敗したのです。緑地が見えた時間は,30秒程度だったと思います。道なき道を歩いている人を一人だけ確認できましたが,それ以上の収穫はありませんでした。

あの公園は危険ですね。上空から観察するとはっきり分かりますが,とんでもない僻地だし,なにより周りが海で逃げ場らしい逃げ場がまるでないのです。公園歴9年(本当は10年かもしれない)の私がそう判断するのですから,間違いありません(なぞ)。あの公園はかなりの玄人向けです。

つづく――