2004-08-11  ばい菌部屋報告―ち・びで・ぶ・すですがお願いします―

某日,市内某ばい菌部屋を調査してきました。その日は平日の22時とあってか店内の人影はまばらであり,お世辞にも繁盛している様子ではありませんでした。

ところでおさんぽ業界全般の傾向ですが,人が多ければよいというものではありません。足の踏み場もないくらい,虹色業界人たちで埋め尽くされているよりも,やや淋しげな雰囲気が漂うくらいの方がデキやすいのです。いくら虹色業界人といえども,人としての最低限の羞恥心は持ち合わせているからです(「妖怪」は羞恥心の欠片もないものですが)。

その日は人が少なかったおかげで,不衛生な布団の上ではふしぎ少女たちがいつもより大胆に,ばい菌の培養に明け暮れていました。

振り返れば少年がいた

私が暗闇の中で調査していると,ひとりかなり若い子が紛れ込んでいることに気づきました。肌の木目やたどたどしい足取りから察すると10代のようです。私はその少年を集中的に調査することにしました。少年はおさかん行為に酔いしれる虹色業界人たちを,かなり離れた場所から凝視しているようでした。そう若い人ってなかなか大胆に近寄れないものなのです。もっとも,慣れてしまえば平気なものですが(ふめい)。

少年はいそいそと休憩室に向かったので,私は後をつけることにしました。休憩室で少年は携帯電話を弄り始めました。少年の横顔はまだあどけなく,生え揃わない無精髭が若さを彷彿させていました。

少年は携帯電話で何をしているのでしょうか。私は画面を覗き込んでみました。どうやら出会い系のメール交換をしているようでした。「いま家にいるよ(音符記号)もうちょっとしたらそっちに向かうね」みたいなメールを打っていました。この子はばい菌部屋を自分の家だと思っているのですね(ふめい)。こんなに不潔な場所なのに,少年は生命力豊かなようです。私は感心しました(再三ふめい)。

ち・びで・ぶ・すですがお願いします

少年は「チビデブ」と名乗っていました。たしかに小柄だし若いくせにお腹周りが緩すぎるように見えました。私は「最後に『ス』を付け加えた方が,誤解が少ないし話が早くて便利なんじゃないかな」と思いました(意地悪すぎ)。私だって人間です。顔の好き嫌いはもちろんあるし,正直な感想を言っただけです。

それに少年は,おさんぽ業界のモテ筋の基準点からだいぶ外れていました。あんなのどこに出ても無駄です(猛毒)。だからちゃんと「チビデブ」の末尾に「ス」をくっつけて,無用な労力を避けるべきなのです。健全で効率の良い社会を作り上げるためには,一人ひとりの小さな心がけが大切なのです(再三,意地悪すぎました)。