2004-08-18  あぶない調査,公開○○○○は虫の息

某日,某掲示板に「野外で公開○○○○する」という書き込みがありました。調査員である私は早速,調査してきました。

待ち合わせ場所は,市内某河川敷の橋の上でした。30分早く到着してしまったので,携帯電話でメールを読み返していました。なんでも事前の「ぷろふぃーる」によると180x75x40だそうです。このみっつの数字の明確な定義はありませんが,大柄であることだけは確かなようです。

そうやって橋の上で待っていると,山岳部員のような格好をした人が現われました。背中にリュックを背負って綿のシャツを着て,物々しい靴を履いていました。いまにも山に登ってしまいそうな装いでした。

さて,話によれば公開○○○○は全裸でするのだそうです。ずいぶん本格的なのですね。良い場所があると言うので後をついて行くと,河川敷の茂みに案内されました。どうやらここで公開○○○○するようです。私は事情聴取しようと思い,男性に話し掛けようとしました。ところが男性はあれよあれよという間に服を脱ぎだし,ついにはパンツまで脱いでしまいました。

あまりに展開が急だったので私は動揺しました。男性は妊娠しているらしく,お腹がぷっくりと膨らんでいました。その様があまりにブキミだったので,私は悲鳴をあげたくなりました。まったくブキミな人ほど見せたがるものなのです(再三なぞ)。

男性は靴下まで脱ぎ終えると,その場にゆっくりと腰を下ろしました。そして「それじゃ始めます」という掛け声とともに(おかしなところで礼儀正しいのです),公開○○○○が始まってしまいました。男性はリュックのポケットから亜硝酸アミル類の入った子瓶を取り出し,気化した物体を吸引し始めました。「スーハースーハー」言い出したのです。

最初の「スーハースーハー」から10秒ほど経った頃でした。「きたぁー」という奇声を発した後,さらに吸引の頻度が高くなりました。私は事態の異常さに気づいていました。2分ほど吸引を続けると,男性はその場に横たわったまま動かなくなってしまったのです。死んだ魚のように目を見開き,口をぱっくりと開け,虫の息だったのです。

「やべーよ,コイツ死んだんじゃねーのか?」と私は思いました。ただ見に来ただけなのに,大変なことになったのではないかと焦りました。何しろ傍から見たら薬物自殺しているかのようだったのです。まるで火曜サスペンス劇場の一場面だったのです。

そんな心配をしていたら男性は,すくすくと起き上がりました。どうやら薬が切れたようです。

私 「どうしたんですか?」

男性 「終わりました」

私 「お疲れさまでした」

男性 「‥‥」

男性に「フラフラしませんか」と尋ねてみたところ,大丈夫だと答えました。なんでも喘息の薬を常用している人だそうで,この手の薬物にはとんでもなく耐性があるのだそうです(某脱法薬物に至っては標準量ではまるで効かないそうです)。こうしてその日の公開○○○○は,危なげながら終了しました。

私は少し反省しました。「今日の調査は度が過ぎたな」と思いました。ひとつ間違えたら私が調査されてしまうところだったのです。始めは気づかなかったのですが,後できいてみたら薬好きの人だったそうで(ふめいすぎ),そういう意味でもかなり危険な調査だったのです。

それから私は調査を自粛するどころか,さらに高度な調査活動に進出することになります。その報告は日を改めて。