2004-11-02  おさんぽ練習帳―オバさんは学級委員長―

※2004年7月の調査報告です。

汚された更衣室

某日,市内某公園を調査してきました。その公園にはテニスコートがあり,テニスコートの敷地内には更衣室が併設されていました。更衣室には鍵が掛けられておらず,深夜になると虹色業界人が勝手に入ってしまうという噂です。

深夜0時,私はテニスコートに忍び込みました。もちろんヨコ漏れしに行ったのではありません,あくまで調査が目的です(本当ですよ)。さて更衣室の前まで来たのはいいのだが,なんだか恐ろしくてドアノブを回すことができませんでした。ゴキブリ捕獲器の中を覗くかのような勇気が必要だったのです。更衣室のドアにはすりガラスが張られており,うっすらと内部に潜んでいる人の気配を感じ取ることができました。

「いったい何人,入っているのだろうか」と考え込んでいたら,急にドアが開いたので私は後退りしてしまいました。中から出てきたのは,ちょっと日本人離れした体型の人でして,なぜか上半身裸でした。その人は,しばらく半裸のままテニスコートをうろうろしていました。おそらく見せたがり屋さんなのでしょう。私はテニスコートの入り口まで戻り,離れた場所から観察を続けることにしました。しばらくすると更衣室の中からもう一人出てきました。続けてぞろぞろと三人も出てきました。ずいぶん本格的にばい菌を培養していたのですね。

オバさんは学級委員長

更衣室の状況はだいたい分かりました。私は駐車場付近にあったベンチで休むことにしました。そこには知り合いの某オバさんが座っていました。「テニスコートの更衣室がすごいみたいですね」という話をしたら,オバさんは不機嫌な顔をしてこう言いました。

オバさん 「ああいう場所に勝手に入るのって,良くないと思う

たしかに言うとおりです。さらには「そのうち鍵掛けられちゃうんじゃないのかしら。やっていいことと,悪いことってあると思うの」とも言いました。たしかに言うとおりです(2回目)。私にはオバさんが学級委員長のように見えました。

さて一見,模範生のようなオバさんでしたが,さすが公園の管理人と呼ばれているだけあります。続けざまに「ワタシ今日はもう3人いただいたわ」と下品な話を始めたのです。まったく学級委員長といえども,ばい菌の培養は大好きなのですね(毒)。

六尺褌の人に間違えられた調査員

オバさんと話し込んでいたら,時刻は深夜1時半をすぎていました。「今日はすごい量だった。ネタ満載ね」と,いつものように意味不明なことを考えながら,私は某便所を覗きに行きました。便所にはなぜかさっきの更衣室の人がいました。

ちょっと前までテニスコートを半裸で歩き回っていたのに,諦めたのでしょうか。アロハシャツのような派手な服装になっていました。明るい場所で見ると,全身重度の日やけをしており真っ黒でした。白目だけが浮き上がっているような有り様だったのです。まさに典型的な虹色業界人です。

その人は私に近付くと「あのー,六尺褌の人ですか」と尋ねてきました。どうもこの便所が待ち合わせ場所になっていたらしいのです。もちろん関係ないので「人違いです」と言っておきました。更衣室といい,褌といい,ずいぶんお盛んな公園なのですね。その後,本当に六尺褌の人が現れたのか私には分かりませんでした。

その日の一連の調査で,なぜかくも虹色業界人はばい菌の培養に貪欲なのか,ますます分からなくなりました。公共設備を汚してまでばい菌を培養して一体,何が楽しいのでしょうか。いやはや「謎」は深まるばかりです。本当に謎かどうかはさておき(なぞ)。