2005-07-24  ばい菌部屋の大切なこと

極秘(でもない)ばい菌部屋従業員の本音」では,お客さんがだれも来なくて閉店したばい菌部屋のお話をしました。あれから私は「ばい菌部屋にとって大切なことってなんだろう」と考えるようになりました。今日はひとつの考えをお話します。

ばい菌部屋に行く理由

ばい菌部屋は非日常を楽しむ場所だと思います。

私は調査員なので,ばい菌部屋の正しい使い方をしたことはあまりありません(「ウソつき」なんて言わないでください。「一度もない」なんて言っていません←なぞ)。調査結果から分かったことですが,ばい菌部屋は非日常的な空間を提供しなければならないのです。

ばい菌部屋は恥ずかしくて後ろめたい場所のはずです。就中そこに健全なお客さんを引きずり込むには,どうしたらよいのでしょうか。「私はそんな愚かな人間じゃない。そうちょっと異次元に迷い込んでしまっただけなの」という理由が必要なのです。そのためにも異次元の演出は大切なのです。

異次元を演出するもの

「異次元」はどうすれば作ることができるのでしょうか。素直に考えて,少なくとも五感に訴えうるものであることは間違いありません。

つまり照明が紫とか青とかピンクで非日常的,匂いが非日常的,気温が生暖かくて非日常的などです。

さて,いちばん異次元を演出するのは,目の前でばい菌の培養に耽るふしぎ少女たちの存在です。でもそれは卵が先か,鶏が先かという話になります。なぜなら,いまはそのふしぎ少女たちをどうやって誘き寄せるかという話をしているのです。

ばい菌部屋の魅力

さらに重要なのは「妄想」ではないでしょうか。私は「妄想」こそばい菌部屋の魅力の正体だと思います。「あそこに行けば,なにかいいことがありそう」という錯覚を促さなければならないのです。

ばい菌部屋に行ったことのある人なら分かると思いますが,実際にあるものは不気味に横たわるヒト化の生き物と,やっかいな病原菌だけです。そのような危険を差っ引いたとしても,ばい菌部屋を魅力的だと思わせるために必要なのものとは「謎」です。

私たちには知識欲があります。「分からないこと」には興味をそそるものなのです。「あの人ってどういう×××なのかしら,分からない」だからちょっかいを出したくなるのです。そして謎が解けた途端に醒めてしまうのです。

ばい菌部屋は水商売のひとつです。「最後に何も残らなかった」というのがお水業界の特徴ではないでしょうか。ばい菌部屋の魅力も同じですべてが虚構なのです。ばい菌部屋にとって大切なことは,お客さんに夢を見せることなのです。

まとめ

何をどうまとめるのかはさておき,「ばい菌部屋の大事なこと」を箇条書きにしてみましょう。

  • ばい菌部屋は恥ずかしい場所なので,何かと理由をつけて入店しなければならない
  • ばい菌部屋はふしぎ少女が活躍するおかげで非現実的な空間になる
  • ばい菌部屋には夢が詰まっている
  • ばい菌部屋から始まった恋は,ばい菌部屋で再会して終わる(こんなこと本文には書いてありません←なぞ)