2006-01-31 未来予想レポート2006-2020(2)―科学技術編―
「未来予想レポートを検証する」と言ってみたものの,私が分かりそうな業種は僅かなものです。しかも「本当に分かっているのか」と言うとかなり怪しいものです。それでも気になる報告がちらほらあったので,取っ付きやすいものからご紹介しましょう。
2006-2008 「iDVR型HDD搭載の携帯電話」
iDVR搭載の携帯電話が2年以内に出るそうです。付け加えておきますが,HDD内蔵の携帯電話はすでに存在しています。iDVR規格の製品が出現するということが大切なのです。俄かには信じがたいですね。日立製作所がそう公表しているだけなのかもしれません。仮に発売されたとしても実験的なもので終わる気がします。
携帯電話にHDDが載るとなると,用途はお仕事以外の使い方を考えれば動画や音声情報の利用なのでしょう。そこまでして消費者の時間を盗もうとするのは,いかがなものかと思います。
私は携帯電話の高機能化を懐疑的に見ています。カメラ搭載あたりでもう打ち止めという気がするのですが,どうなのでしょうか。
消費者が永遠に愚かであれば,携帯電話を買い換え続けてくれるのでしょうけれど,そのような風潮がいつまで続くのか分かりません。そろそろ消費者も賢くなってよいころだと思います。
2009-2011 「犬・猫レベルの知能を持つロボットが開発される」
軽く仰け反りました。あと5年もすれば知能のあるロボットが登場するというのです。いったい何で知能を作るというのでしょうか。たぶんコンピュータで作るのだと思いますが,そうだとしたら大変なことです。
ギョーカイに携わっている人なら,「知能を持つロボット」なんて言い方はまずしないと思います。「知能とは何か」という論議を始めるとかなり面倒なことになるからです。「知能があるように見えるロボット」なら可能でしょうけれど,それでも程度が知れています。
「犬・猫レベルの燃費効率をもつロボット」の方がはるかにすごいし,役に立つと思うので,こちらを期待します。
2012-2014 「音声を自動翻訳する携帯電話が発売される」
NTT DoCoMoの会社説明会に行ったことのある人なら,なんだか分かると思います。私はNTT DoCoMoの会社説明会そのものに行ったことはありませんが学生だった頃,学校にDoCoMoの人が来て会社説明のビデオを見せてもらったことがあるのです。
「MAGIC」という構想だったと思うのだが,映像の中に同時翻訳してくれる電話が出てきていました。なんでも相手の話した言葉を母国語に翻訳してくれるのだそうです。映像では,たしか欧米人とインド人と日本人が各々の母国語で三者通話していました。こんなものが商品化されたら,NOV∀は大変なことになりますね(なぞ)。
かなり不思議なサービスですが,言葉遣いが正確な人で,何の会話をするのか事前に決まっているのであれば実用化できる気がします。