2006-06-01  ドキュンになりたい2006―はじめての喫煙―

<この連載の目的>「ドキュン」と呼ばれる人々の生活習慣を分析する。ドキュンの行動,ドキュンの嗜好,ドキュンに纏わる諸問題を把握しドキュン向け商品開発の参考にする。

ドキュンになりたい2006,今回のお題は喫煙です。このお話は2005年の秋ごろに公開する予定でしたが,調査期間が長引いてしまい公開する時期も遅れてしまいました。

さて数十年も前からタバコは体に悪いと言われ続けているのに,禁煙しようとしない人,禁煙できない人が大勢います。さまざまな害が指摘されて久しいのに,新たに吸い始める人もやっぱりいます。なぜなのでしょうか

頭で考えてみたところで分かるわけがありません。喫煙者のキモチを調査するために,私もタバコを吸ってみることにしました。

タバコの紹介

タバコにはさまざまな種類があります。いったいどのタバコを試せばよいのでしょうか。私は調査以前に,喫煙した経験が一度もありませんでした。タバコにはニコチンやタールの含有量を基準として,大雑把に「軽いタバコ」と「重いタバコ」に分けることができます。まず軽いタバコを選ぶことにしました。

(1)マイルドセブンスーパーライト。最初に吸ったタバコです。味はないのですが,穀物を焼いたようなおいしそうな香がします。

マイルドセブンスーパーライト

<画像の説明>マイルドセブンスーパーライトの外装。

(2)マイルドセブンライト。「スーパーライト」よりも濃いです。たばこらしい風味がします。

(3)セブンスター。正直うまいとは思いませんでした。体が拒絶反応を起こすのか,一度も立て続けに2本吸う気になりませんでした。本格的な毒なんだと思います。

セブンスター

<画像の説明>セブンスターの外装。

吸う場所があまりない

自宅で吸うと部屋が汚れるらしいので,家の外で吸うことにしたのだが,喫煙できる場所がとっても限られていることに気づきました。

まず市街地はだめです。最近は市の条例で,路上で喫煙すると罰金が課せられます。地下街は防災上の理由で禁煙です。人が多く集まる場所はたいてい禁煙なのです。

「公園のベンチの上でなら」と思いましたが,灰皿が用意されたベンチはあまりなく,公園でも喫煙者はかなり締め出されているようです。

なぜタバコを吸うのか,いつタバコを吸うのか

タバコを吸う理由ってあまりないんじゃないのかな,と思いました。タバコを吸う場面は,ちょっとした時間ができたときです。たとえば移動している間に,目的地に着いたときに,待ち時間に,というように行動の区切りに喫煙する機会ができるのです。原始的な時間泥棒だといえます。

タバコを吸うと頭の回転が変わったり,気分転換になったりするという人がいます。残念ながら私は,そのような寛いだ心境を一度も体験できませんでした。「大人になった気分になる」という意見もあるような気がするのですが,すでにタバコ以上のすごい経験をしていたのが厄したのか,大人の気分を味わうことはできませんでした。

喫煙者の行動

喫煙者はタバコを吸いながら何をしているのでしょうか。

駅やスーパーマーケットには「喫煙所」があります。いわゆる分煙をするための設備です。タバコを吸ったことのない人は,喫煙所に立ち入る機会もないでしょから,喫煙者の喫煙中の行動をあまり観察したことがないはずです。

私は調査員ですから当然,喫煙所の調査もしました。喫煙者の喫煙中の行動は,だいたいみっつに分類することができました。それらは「タバコを吸うことに専念してほかに何もしない」「缶コーヒーを飲みながら」「携帯電話をいじりながら」です。これらの組み合わせも当然あり,タバコを吸いながら缶コーヒーを飲んで,携帯電話をいじっている人もいました。

「タバコ」「缶コーヒー」「携帯電話」には,なにやら相関関係がありそうです。

「ドキュンになりたい2006・はじめての喫煙」はこれでおしまいです。どうもこの企画,オチらしいオチがつけられなくて作っていて苦痛です。でも,そんなことを言っていたら社会のさまざまな謎は謎のままですよね。次回はパチンコ店の調査結果をお話するつもりですが,どうなることやら。