2007-01-16  市内某河川敷―ヒトシくん覗かれた秘め事―

※2006年夏の調査報告です。

市内日やけスポットに出没する「ヒトシくん」という人について,語ってみることにします。

大草原のヒトシくん

名前を尋ねてみたことは,一度もありません。私は勝手にその人をヒトシくんと呼んでいます。ヒトシくんは30代半ばくらいの男性です。顔は所ジョージに似ています。体は小柄で華奢であり,日やけスポットでは正直言って,あまりぱっとしない感じの方です。

ヒトシくんはちょっと変わっています。文明社会から遠ざかった生活をしているそうなのです。携帯電話を持たないし,自家用車もなく,さらにはテレビも見ないのだそうです。

「面白いな」と思ったのが,ヒトシくんが日やけスポットを知ったきっかけです。「何となくそう思って,来てみたらそうだった」と言うのです。言い忘れましたが,ヒトシくんは業界紙も読まないのだそうです。到底こんな場所に辿り着けるとは思えないのですが,ヒトシくんはなんと自力で来たらしいのです。

文明の利器に頼らない生活をしていると,野生の感が高まるのかもしれません。

俺たちは盗撮されている

ヒトシくんが日やけスポットに来るのは,決まって平日の昼間でした。私はドキュンなので,平日にうろうろしていても説明がつくのですが,ヒトシくんは普段何をやっている人なのでしょうか。私はヒトシくんに,職業や年齢を尋ねたことは一度もありません。それでもだいたいの察しは付くというものなのです。

気になる出来事が一度ありました。

ある日のことです。日やけスポットから少し離れた場所に,一台の外国車が止まっていました。ヒトシくんは「知ってる?あの外国車の人さ,ビデオカメラで俺たちを撮ってるんだよ」と言い出したのです。私は「この人って頭がおかしいのかな」と思いました。でも危険は感じませんでした。「盗み撮りされているらしい」ということに,執着しているようには見えなかったからなのです。本当におかしいのなら大騒ぎして,治まりが付かなくなるはずです。

私は,その外国車の人をちょっとだけ知っていました。某公園でもたびたび見掛けていたのです。車内を軽く覗き込んでみたこともあったのですが,荷物らしい荷物はなく,ビデオカメラらしき機材なんかもありませんでした。

この日やけスポットはおかしい

ヒトシくんの話は以上でおしまいです。

私この日やけスポットは要注意の場所であり,安易に近寄るべきではないと考えています。何度か調査してみて,不気味だなと感じたことを箇条書きにします。

  • 草むらに大きな骨が落ちていた
  • 切断されたプラバンド(一度結ぶと人間の腕力では外すことのできないあの文房具)が散乱していた
  • 周囲は産業廃棄物の最終処分場であり,立ち入り禁止の看板があちらこちらにある
  • 過去に自殺者が発生
  • 向精神薬乱用者による乱闘騒ぎの噂

とくに夜間は,絶対に立ち寄ってはいけない地域です。