2007-11-10  “ハイブリッドめーる”の品質

「ハイブリッドめーる」とは,郵便事業株式会社が提供する郵便サービスです。インターネットで原稿(WordファイルやExcelファイルなど)を受付け,局内で印刷後,封筒に詰めて郵送してくれます。⇒サービス画面

試しに使ってみたので,サービスの使い勝手と印刷品質をお話します。

制限事項が多い

「ハイブリッドめーる」を使うには,まず利用者登録をしなければなりません。利用者登録をしなくても,サービスの使い方はウェブサイトで確認できるのですが,登録してからでなければ分からない制限事項がいくつかありました。

(1) 印刷できるファイルは1ファイルのみです。使い方を読むと 「A4用紙2枚を印刷できる」と書かれています。これは2ページ分の文章を印刷できるという意味であって,2ファイル印刷できるという意味ではありません。たとえばWord文章1枚とExcel文章1枚という印刷はできません。

(2) 用紙左下27mm×60mmの範囲に,制御用のバーコードが必ず印刷されてしまいます。原稿を作るときは,事前にページ設定で用紙左に27mmの余白を確保しておく必要があります。

(3) Excelブックを印刷する場合,印刷対象になるのは先頭のシートのみです。Excelブックには複数のシートを格納することができますが,先頭のシート以外は無視されます。

印刷品質が低い

試しに自宅宛てに「ハイブリッドめーる」の印刷物を送ってみました。印刷品質が低くてびっくりしました。気になった点は以下の2点です。

  • トナーの定着が悪いのか文字に擦れがあった
  • 英文字は欠けて印刷された

致命的だと思ったのは,英文字の「欠け」です。すべての「A」が「∧」のように印刷されてしまったのです。これでは話になりません。MS明朝9ポイントの文字が欠けていたのですが,「対応フォントの一覧」によると対応しているフォントだそうですよ。文字の大きさがまずかったのでしょうか。たぶん「仕様」なんでしょうけれど,困りましたね

「ハイブリッドめーる」は登録中に印刷結果の完全なプレビューができるのですが,あのプレビューはウソです。騙されてはいけません。

写真原稿の仕上がり

原稿 ハイブリッドめーる印刷結果

<画像の説明>「原稿」と「ハイブリッドめーる」で届いた印刷物を並べてみました。肉眼で見ると,白っぽい感じがしました。色は合っていましたがγ特性は,かなりいい加減なようです。

写真チャート

<画像の説明>写真部分の拡大画像です。粒状感が強く,ひと昔前のインクジェットプリンタのような印刷物でした。肉眼で見ると,200DPIと300DPIではあまり差がありませんでした。原稿に写真を載せるときは,200DPIで良さそうです。

最後に

「ハイブリッドめーる」はPDFの印刷にも対応しています。MS明朝の英文字が欠ける現象は,たぶんフォントを埋め込んだPDFを使うことで解決できると思います。実際に試したわけではないので,本当にそれで不具合を回避できるのかは分かりません。

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