2007-12-23 ばい菌部屋開店マニュアル
「開店マニュアル」という表題ですが,大したマニュアルにはなっていないので期待しないでください。今回は,個人でばい菌部屋を経営するための事前知識の一部をお話します。
あなたは「ばい菌部屋を経営してみたい」と思ったことはありませんか。おそらく業界人であれば,一度くらいは考えてみたことがあるのではないでしょうか。私は一度もありませんが(なぞ)。
さて,ばい菌部屋の商売を始めるまえに,いくつか解決しておかなければならない問題があるはずです。私は以下の事柄が気になっていました。
- あの商売って業種で言うとなんになるの?
- 営業するにはどこかへ届出や登録が必要なの?
- 税金ってどうなるの?
結論を言うと,該当する業種はないし登録も許可も認可もいりません。個人で営業するなら税金も掛かりません。
「いったいどういうことなの?」と俄然興味が湧いた方は,以下を読み進めてくださいね。
数日前のことですが,過去にばい菌部屋の店長をしていたという人と雑談する機会がありました。もろもろの疑問をぶつけてみたので,どんな答えが返ってきたのかお話します。
ほとんどの店は無届で営業している
私がいちばん疑問に思っていたのは,ばい菌部屋の業種です。あれは一体,何に該当するのでしょうか。
元店長の話によると,飲食業でもなければ旅館業でもないそうです。「勝手に人が集まっているだけ」という状態だそうです。
喫茶店やお風呂であれば保健所,中古屋であれば警察署というように,ばい菌部屋も営業するにはどこかしらへ登録が必要なのかと思ったら,届出は不要だそうです。むしろ届ける先なんか存在しないのです。(ただし飲食物を扱う店は別ですよ。)
自前の物件であれば低リスク
ばい菌部屋を運営するには,まず物件が必要です。元店長は「箱モノ」が自分の所有物であるか,借り物であるかはかなり重要だと言っていました。
例えばマンションの一室で営業していたとします。賃貸マンションの場合,告げ口されるとひとたまりもないそうです。賃貸の物件では事実上,店として改装するのが不可能なのと,もともとの契約内容が「住居用」のはずなので,想定外の使い方をしたらすぐ追い出されてしまうそうです。
ところが分譲マンションの場合,告げ口されても追い出されることはまずないそうです。部屋は個人の持ち物ですので,何に使おうが勝手なのです。仮に管理組合にバレたとしても,「たしかにそういう使い方をしています。でもそれで何か問題があるんですか?」と開き直られたらおしまいだそうです。
騒音を出しているわけでもなければ,廊下や階段といった共用部分を占拠しているわけでもないのなら,部屋の中で何が行われていようが他人が口出しする権利はないわけです。
ただしマンションの場合,不特定多数の人間が出入りすることになります。それってちょっと気持ち悪いですよね。元店長は「一軒家がいちばんいい」とのことでした。
税金ゼロ円
物件の問題が解決したとしても,つぎに気になるのはお金の問題です。当然,所得が発生するわけで,税金を納めるときその所得は何で得たお金だと説明すればよいのでしょうか。
税金に関して元店長の発言は衝撃的でした。元店長は,「税金なんか払ったことない」と言ったのです。さらには「職業は無職という扱いなんだから,払わなくても変じゃないよ」とまで言いのけたのです。どう考えても脱税にしか見えないのですが,本当にそんなことが可能なのでしょうか。
私が疑問だったのは,モグリの店だとしても,個人で物件を所持しているのなら固定資産税を納めることになるはずなのです。所得がないのに,どこからお金を捻出するというのでしょうか。役所から目をつけられそうですよね。
この疑問に対する答えは単純でした。「自分自身が無収入でも,親戚からのお金で暮らしているような人は珍しくない」のだそうです。もし行政機関から尋ねられることがあっても,そう答えれば深くは追及されないそうです。
まったくもって,どこまで本当の話なのでしょうか。驚くやら呆れるやら,私は聞き取り調査中,開いた口が塞がりませんでした。世の中,思っているほど難しくないということなのかもしれません。