2010-11-21  小熊と夜の河川敷―思わぬ代償―

9月の話です。小熊(元野球部員,佐々木健介サマ似)と夜の河川敷を軽くおさんぽしてきました。

小熊からの電話

某駅前の喫茶店で昼食を採ってから,その足でお買い物していたときの出来事です。

唐突に小熊から電話が来ました。いつもの私なら,小熊からの電話は無視します。小熊はいつも,厄介な用事しか持ち込まないからなのです。

でも,そのときは,珍しく電話に出てみる気になっていました。

小熊「あ,恭子さん?夕方から,市内の河川敷に行ってみようよ。」

私は,「そんなのあなた独りで行けばいいでしょ?」と言ってしまいました。すると小熊は,独りでは億劫だから行く気にならないけれど,ふたりならその気になれるというのです。

私「あの河川敷には,あなたと何度か行ったことがあるけれど,そういえば,日中にしか行ったことがなかったわね。一度,夜の景色も眺めておきたいわね。」

という具合に,珍しく意見が一致してしまいました。

夜の某河川敷

○○区の某駅前で小熊と待ち合わせし,某河川敷へ。

河川敷の堤防に到着したのは,19時すぎでした。周囲は薄暗くなっていましたが,依然として日中の熱気が立ち込めており,ムンムンとしていました。小熊は「なんだか気味が悪いね」と言っていました。

「たしかに不気味ね。でも,じっとしていると真っ暗になっちゃうよ。さっさと行きましょう」と小熊を諭して,二人で遊歩道を一周してみることにしました。

するとどうでしょう。暗がりの中,ジーンズ姿の少女が息を潜めていました。ほかにも虹色業界人の少女がウロウロしており,小熊は「けっこう人きてるねー」と楽しげでした。

挿絵

私は歩いているときに,寄りついてくる虫を追い払うのに苦労していました。何しろ繁華街で買い物していたら,とっさに誘われたので着替える暇などなく,ハーフパンツにTシャツ,サンダル履きという出で立ちだったのです。

私は小熊に,「ねえ,美香さん,虫すごくない?あなた大丈夫?」と尋ねてみました。すると驚くことに,小熊には虫が寄って来ていないというのです。(小熊もかなりの軽装だったのですが。)

そうこうしているうちに,遊歩道を一周してしまいました。

思わぬ代償

周囲はすっかり暗くなっていました。

私は「どうする?もう帰る?」と,小熊に尋ねてみたのですが,小熊は,さっきのジーンズ姿の少女に興味があると言っていました。

さらに小熊は,「でもさ,ジーンズって,体型ごまかせちゃうんだよね。プリケツに見えたけれど,脱ぐと垂れてるのかも(びっくりマーク)」などと燥いでいました。

小熊は,自分のお腹がプリン(というか,すでに流動食)なくせに他人には厳しいのです。

結局,もう一周してみることになりました。ところが,行き違いになってしまったのか,少女の姿はすでにありませんでした。小熊は「お腹が空いた」と言うので,帰ることにしました。(小熊は,空腹になると,もうそれ以上,何もしようとはしません。そういう生き物だからです←ふめい。)

さて,私は翌朝から,ふくらはぎが痒くて困りました。虫に刺された個所を数えてみたら,8個所もありました。あれから2か月以上経ちますが,寝ている間に掻き毟ってしまうのか,傷はいまだに癒えていません。

おそらく,あのジーンズを履いていた少女は,河川敷の生態を知り尽くしていたのでしょう。商業系でも便所系でも,なんでもそうなのですが,あの手の秘境に慣れない人間が近づくと,怪我をするものなのです。

今回はうかつでした。いやはや,ヨコ漏れです。