2010-12-05 シャープGALAPAGOS(ガラパゴス)―宗教観の欠如した駄作―
土曜日,市内家電量販店でシャープの「GALAPAGOS(ガラパゴス)」を調査してきました。GALAPAGOSは,メディアタブレットと呼ばれる製品だそうです。OSは,Android(アンドロイド)だそうです。
http://www.sharp.co.jp/galapagos/
メディアタブレットという名前は,初耳です。
大雑把な括りで分類すれば,「通信機能が付いていて,持ち運べるコンピュータ」でしかありません。しかしそれでは,昨今話題のスマートフォンと,既存のPCとの違いがはっきりしません。
そこで,特徴を出すためにGALAPAGOSのハードウェアとソフトウェアは,コンテンツを販売して,それを再生することに特化したものになっているようです。(カメラやGPS機能はついていないそうです。)
GALAPAGOSとは製品名であり機能名
GALAPAGOSには,5.5型の携帯型と,10.8型の卓上型の2種類があります。(正確には,ソフトバンク・モバイルの003SH,005SHもGALAPAGOSだそうです。GALAPAGOSとは,製品名であり機能名でもあるようです。)
市内ヨドバシカメラに行ってみたら,GALAPAGOSが展示されていました。私は,さっそくお触りすることにしました。
GALAPAGOSの筐体は,ありふれたタブレット型の端末でした。画面を覗き込んでみると,ちょうど電子書籍のアプリケーションが起動していました。(ほかに余計な機能は付いていないので,迷う心配はありません。)
この製品は売れないと思う
電子書籍アプリの画面は,本棚の上に雑誌や本の縮小画像が並べられているものでした。書籍をタップすると,その書籍を読むことができるのです。
池上彰の新書が入っていたので,ちょっと立ち読みしてみることにしました。
私が驚いたのは,既存の本の構成を素直に電子化していることでした。表紙があって,目次があって,本文が続いていて‥‥という構成なのです。
しかも,相変わらずページを捲らないといけないのですよね。いま読んでいるところを指でなぞろうとしたら,勝手にページが変わってしまいました。
この時点で,「この製品は売れないな」と直感しました。
画面の大きさや解像度,本体の重さであるとか,バッテリーの持ちであるとか,製品の良し悪しを決める要素はいろいろとあります。ここ数年,ハードウェアの機能や性能は横並びであり,ソフトウェアを使ったときの「感触」が重視されているように思えます。
触ってみて,まず気持ち良くないとだめなのです。不快なものは論外なわけです。
GALAPAGOSは,残念ながら不快な部類に感じられたので,この製品は売れないと思いました。
足りないものは宗教
私が気になったのは,アプリの操作性だけではありません。
池上彰の親書を読もうとしたとき,はじめに本の表紙が表示されました。この表紙画像なのですが,低解像度の画像を引き延ばしたものだったのです。(解像度は72dpi程度のように見えました。)
(【追記 10 DEC 2010】 再調査してみたところ,どうやら画像は引き伸ばされていないようです。記憶違いだったようです。)
電子ディスプレイの表示品位が印刷物に勝ることは,おそらくないと思いますが,それにしても最初から諦めすぎです。
私ね,あの低解像度の表紙画像を見せつけられて,がっかりしたのですよ。不快害虫に遭遇したときの嫌悪感にも似ていました。
足りないものは,画像の解像度だけではありませんね。この製品からは,宗教観がまったく感じられないのです。
画面表示や操作性に,はっきりとした答えがあるわけではありません。だからといって,「使えるんだから」という理由だけで,すべてがバラバラではどうなるでしょう。継ぎ接ぎだらけで,仕上がりが汚らしくなってしまいます。
汚いものは嫌われます。
そうならないためには,機器の開発に携わる人と,電子書籍のコンテンツを作る人は,同じ価値観を共有している必要があります。またその価値観に基づいて,理路整然と世界を創り上げて行かなければなりません。
そのために必要なものは,いわゆる宗教です。
私ね,この手の情報機器を作る人たちは,ある種の洗脳を受けていなければだめだと思います。なにより先に,「天のお父様(=GOD:神)」に媚びるのです。消費者の意見に耳を傾けたのでは,汚いものしか仕上がりません。
余談ですが,私は,「美しく洗練された未来を目指して」を合言葉に,日々活動しています。(突然,何を言い出すのやら。)