2013-08-14 ブサイクは汚物,人間扱いなんかされない,それがこの業界の真実
かなり前の話になるのですが,近場の某おさかんバーが閉店しました。「おさかんバー」というのは,お酒の出るばい菌部屋なのですが,強いて分類すると飲み屋さんになるのかもしれません。
私,そのお店へたまに遊びに行っていたのですが,ひと癖も,ふた癖もあるお店だったせいか,ある日,閉店してしまいました。
さて,その,おさかんバーに通っていて,考えさせられる出来事があったので少々。
20年前
まず,私が公園デビューした頃の話をします。
いまから19年前の出来事だったでしょうか。話を簡単にするために,20年前ということにしておきましょう。もう,これだけ,年月が過ぎてしまったら,1年2年の違いは誤差の範囲です。
その当時,私は,飲み屋というものに行ったことがありませんでした。
興味がなかったのと,お金を出してまで,お酒を飲みに行く意味が分からなかったのです。
あと,なんとなく怖かった。
公園デビューから数週間もすると,何人かお知り合いもできて,私は,業界のいろんな情報を調達できるようになっていました。
たまに,飲み屋の話題も出てくるのですが,同年代で飲みに行っているという子は,かなり垢抜けた感じで,ちょっと近づき難い印象すらありました。
補足説明ですが,その子たちは,公園と飲み屋,さらにはばい菌部屋にも出入りしていたようなのです。さらには,立ちんぼまで。業界特有の遊び,すべてを知っていたわけですね。
さて,私は,伝聞を頼りに,飲み屋さんがどんな場所なのか想像していました。(以下)
- 「顔がいいか」「体がいいか」どちらかでなければならない
- それ以外は不要
実際には,「顔がいいか」「体がいいか」だけではなくて,「若いか」「金持ちか」という要因も大事なわけですが,私が,そのことに気づけたのは,数年先になります。
情報源が同年代の子だったので,若いのは当然だし,お金がないのも当たり前なので,話題に挙がらなかったのかもしれません。
某おさかんバー
時は流れ,公園デビューから十数年後,私もたまに飲み屋さんに行くようになっていました。
何軒か行きましたが,当時,思い描いていたような客を選ぶ店はなく,従業員もお客さんも,ごく普通の人ばかりでした。
ところが,です。
ある日,某おさかんバーの存在を知った私は,試しに行ってみました。かなり,変わったお店でしたが,私は,すでに十分すぎるほど場数を踏んでおりましたので,難なく遊ぶことができました。
そのお店に,何度か通っていたときの出来事です。その日は,ママと私の二人だけ。ほかにお客さんは,いませんでした。
ママは,身長180cm,体重75kg,年齢40歳くらい。率直に言って,かなりの美人です。若い頃は,売れ筋だったのでしょう。そこそこ年を取って,いくらか落ち着いた感じでしたが,一世を風靡していた頃の面影を十分すぎるくらい残していました。
ママは,「たびたびブサイクな客が来て,困っている」という話を始めました。
「50代でドブス。遅咲きなのか,なんだか知らないけれど,みっともないくらい,いろんな店に出入りしているみたいなの。その人が来るとね,嫌になっちゃう。店子の××なんて,その人には一言も話さないのよ」という話を始めたのです。
ブサイクな人間は,もう,どうしようもなく汚いモノとして扱われてしまう。まるで,人間扱いされないのです。
私は,そのとき,20年前に思い描いていた飲み屋さんのイメージは,間違っていなかったと確信しました。
「ほかの店は,経営者の性格がたまたまた良かったか,本心を言っていなかっただけ。やっぱり客を選ぶんじゃん」と思ったのです。
そうは言っても,そのおさかんバーは,その出来事の数か月後には閉店してしまいます。
客商売である以上,暴れるだとか,ほかの客に迷惑を掛けるといった特別な理由がない限り,店が客を選んではいけないのでしょう。
趣味と実益を兼ねた商売は,難しいものなのです。