2019-02-03 誰得YouTube―Tenebrae予告編―
Tenebrae (1982) - International Trailer [HD]
https://youtu.be/OkUpGi2N8wo
映画「Tenebrae」(日本での公開名は「シャドー」)の予告編を発見しました。映像の解像度は720pのため驚くほど鮮明。
巷の評価では,「音楽が合わない」(殺しの場面なのに楽しげな曲調である)だとか,「犯人の殺害の動機が説明されていない」などと,あまりよろしくないようです。
(犯行の動機ですが,何者かが向精神薬らしき錠剤を服用する場面がちょこちょこ出てきます。犯人は日ごろ紳士であるものの,薬を飲むと別人格の殺人鬼になるのでしょう。あるいは,反対に薬が切れると態度が豹変する。)
さて,私は,中年になってから,この手のサスペンス作品の楽しみ方を分かった気がします。
まず,作り手にとって,殺しの場面は,怖いものではなくて,愉快なものであり,楽しむべきものなのです。
作品の要は,「若くて美しい娘が恐怖におののく」「身ぐるみ剥がされ,悲鳴を上げながら逃げ惑う」「刃物で刺され,血しぶきを上げながら絶命する」といった殺しの場面であって,それ以外は殺しの場面をつなぐための糊代のようなものでしかありません。糊代に意味らしい意味は必要ないのです。
こう考えれば,軽快な音楽と共に,訳も分からず美女が次々と殺害されてゆくのは理にかなっていると言えます。それを楽しめないというのなら,最初から観なければよいのです。