2021-05-28 DELL Precision 3640―HDDが熱すぎる問題を解決―
3月下旬にDELL Precision 3640 towerを購入したという話をしました。
その後,4月中旬に商品が届きました。
市内某パソコンショップで部品を調達し,自前でメモリとストレージデバイスを増設。以下の構成になりました。
プロセッサ | インテルCore i5-10600 (第10世代) |
---|---|
メモリ | Crucial DDR4-2666 16GB * 2 (32GB) |
ビデオカード | インテルHD グラフィックス630 (プロセッサ内蔵) |
ストレージ1 | Crucial CT1000P5SSD8JP (M.2 PCIe Gen3 x4 NVMe SSD 1TB) |
ストレージ2 | Western Digital WDS200T2B0C (M.2 PCIe Gen3 x4 NVMe SSD 2TB) |
ストレージ3 | 東芝 MN06ACA800 (3.5インチ Serial ATA HDD 8TB 7200rpm) |
新PC導入で順風満帆かと思いきや,試しに作動させてみたら大問題が発生しました。
HDDが熱すぎる
「M.2 SSDは高温になる」と巷でよく言われているので,CrystalDiskInfo(アプリケーション)を導入してストレージの温度を観察することにしました。
確かにSSDはアクセス時,ずいぶんと高温になることが分かったのだが,それ以上にHDDの温度上昇が止まらないことに気付きました。
室温26℃の状態だと,起動してから30分程度でHDDの温度が45℃以上に上昇しました。アイドル時(読み込みも書き込みもせず待機している状態)の温度です。熱くなりすぎ。
「どう考えても冷却が足りていない。何が起きているんだろう」と思って調べてみることにしました。BIOSの設定を変更してシステムファンの制御を解除,ファンを最大回転数で稼働させてみたのだがそれでもHDDは冷えないことが判明。
HDDの設置場所を変えて,いくらか風通しの良さそうなドライブベイに移動してみても改善せず。
内部を観察すると,本体前面の通気口から吸気して本体背面のファンを介して排気,全体を冷やすという構造ではなくて,本体上部に設置されているシステムファンとやらはCPU周りと電源を冷やすだけのように見えました。ストレージを積極的に冷やすようにはなっていない。
冷却ファンを追加で注文
結局,どうやらストレージを冷やすファンは別に設ける必要があったのです。それは前面ファン。
発熱の少ないストレージを使う場合は不要なのかもしれませんが,高温になるストレージを使う場合,あるいは消費電力量の多いビデオカードを使うときは, 注文時に前面ファンを選択しておかなければいけないのでした。(事後に検証したことだがDELLのサイトで注文時,いかにも発熱の多そうな構成にすると前面ファンも選択するように警告がちゃんと出る。最小構成で買って,自分で機器を増設すると問題に遭遇するというわけ。)
ファンくらい既製品で済ませられそうなものですが,毎度のことならメーカー製のPCは部品の取り付け方が特殊になりがちなのです。ファンも特製のブラケットを介さないとうまく装着できません。
DELLに問い合わせてみたら,前面ファンのみを買うことができるという回答だったので早速,注文することにしました。部品が到着するまで3週間を要しました。
ちなみにPrecision 3640 towerの前面ファンの呼称と型番は以下です。
ASSY,FAN,W/HDLR,R5
J9VTG
Precisionだけではなくて同社のAlienware Auroraというゲーム向けの機種でも使用されている部品だそうです。価格は消費税,送料合わせて1,727円でした。意外と安い。
前面ファンを取り付けてみたら
前面ファンが到着したので早速,装着してみました。
<画像の説明>お題の前面ファンとHDDは画像の右下。内蔵グラフィックスを使う構成なので,ビデオカードは存在していません。拡張スロットはどれも未使用。ちなみにHDDは設置場所を変えたので,SATAケーブルの長さが余り気味になってしまいました。
電源を投入してみると,ファンが増えたので作動音というか一連の「騒音」は大きめになりました。元々,本当に動いているのか疑いたくなるくらい静かな筐体だったので,普通の騒がしさになったとも言えますが。
室温26℃の状態だと,起動してから120分程度でHDDの温度は41℃くらいです。お世辞にも「冷え冷え」という感じではないのですが,前面ファンなしの状態と比べればかなり改善しました。ファンの回転数が制御されているためかアイドル時,連続アクセス時でHDDの温度に大きな変化はない。
M.2 SSDも冷えるようになりました。Crucial CT1000P5SSD8JPは高負荷時で60℃くらい。Western Digital WDS200T2B0Cは使用頻度が低いため温度が気になったことはありません。熱くても40℃程度だったような記憶が。
「これなら戦える」と私は確信しました(大げさ)。発熱問題で停滞していた環境整備を再開することにしました。
たぶんこの話は続かない。(なぞ)