2024-08-25 某銭湯を潜入調査
ある土曜日,市内某飲食店で早めの昼食を取ることにした。その足で某銭湯に向かい潜入調査を決行。
以前は14時開店の銭湯だったはずだが,いつの間にか開店時刻が11時に変わっていた。
店に到着したのは午前11時5分前。店の前には開店待ちの行列ができていた。女7人,男2人。みなさんご老人。
開店と当時に,老人たちは我先にと言わんばかりに番台に駆け込んでいった。ひとりの老婆に至っては持参していた手押し車を投げ出すかのように,玄関に放置する有様であった。老人たちを惹きつける一番風呂の魅力とは一体,何なのだろうか。
この日,昼の番台は若大将だった。若大将は以前より痩せたように見えた。相変わらず動作がパキついており,どことなく雰囲気が怖い。
私は風呂に入る前に小用を済ませることにした。そうやって準備に手間取っている間にも,続々と客が入場していた。
男湯の洗い場には年配者5人と刺青の入った35歳くらいの男がいた。その後,坊主頭32歳くらいの男が現れ,地下サウナに入っていった。
私は洗い場で頭と体を洗った後,地下サウナを調査することにした。サウナにいたのは,さっき見掛けた坊主頭の男とお爺ちゃん1人。どちらも不審な点はないように見えた。坊主頭の男は,水風呂に潜ったり体がずぶ濡れのままサウナに入ったりと行儀が悪い。どこにでもいる下衆な男であった。
洗い場に戻ると,向かい側からはお婆ちゃんたちの笑い声が絶えない。ここは老人たちの社交場なのである。そのとき私は,老人たちが一番風呂を目指す理由が分かった気がした。
調査開始から30分が経過。まだ早い気もしたが帰ることにした。
脱衣所で体を拭いていたら,刺青の男が上がってきた。男は荷物から二つ折りの携帯電話を取り出すと電話を掛け始めた。「今日は弁当が腐るぞ。××××(聞き取れず)の近くに車を停めるな」といった話をしていた。
刺青の男は電話を掛けている最中,全裸姿で扇風機の風を浴びていた。べつに見せつけていたわけではないが,一体何がこの人物をこうも太々しい態度に駆り立てるのか。電話の相手は,いまこの男がオチンチンをブラブラさせながら電話を掛けていることを知っているのだろうか。目の前で起きていることを整理してみると,悩みごとが増えそうな事案であった。