2003-08-13  ばい菌部屋報告6―命を削る人々―

12日の深夜,市内某ばい菌部屋を調査してきました。なんだか無性に調査したくなってしまったのです。こんなことを言うと「アンタさ,某人物との軽いお付き合いとやらはいったいどうしちゃったの?」とか「理解に苦しむ」と言われてしまいそうです。勘違いしないでください目的が違います。私の場合,虹色業界人の生態を調査するためにばい菌部屋やら公園に乗り込むのです。決してヨコ漏れ目的ではありません。

平日のばい菌部屋

暦の上では12日は平日です。平日深夜のばい菌部屋にはどんな妖怪,ふしぎ少女たちが潜伏しているのでしょうか。私は市内某ばい菌部屋に出向いてみました。ばい菌部屋には自宅から数十分で到着してしまいます。私はばい菌部屋に潜入すると,受付けで手っ取り早くお金を払い,手っ取り早くシャワーを浴び,手っ取り早くTOOTのボクサーブリーフに着替えました。

「調査が目的なのになぜ勝負パンツを穿かなければならないのか。そもそもどうしてそんなパンツ持っているの?」と言われてしまいそうです。「郷に入っては郷に従え」と言います。調査員は場に溶け込まなければなりません。調査員は存在が自然でなければなりません。被験者に調査員の存在が気づかれてはならないのです。

さて,準備を済ませた私は布団が敷かれた某部屋に入りました。平日のせいか妖怪の姿は皆無,ふしぎ少女たちだけがばい菌の培養に専念していました。幸いふしぎ少女たちのばい菌の培養具合はあまり過激ではなく,致命的なばい菌が感染しないように我慢しているようでした。調査中,私も度々お誘いを受けてしまいました。どこからともなく手が伸びてくるのです。もちろん,すべて払い除けましたが一人だけ極端に手の冷たい人がいることに気づきました。よく見ると子どものような老人のような,その人物はまるで 「AKIRA」に出てくる「タカシ(実験体26号)」のようでした。

タカシさん投薬のお時間です

布団が敷き詰められた部屋の調査を終えた私は,休憩室に向かいました。するとタカシも休憩室に現われ受付けで缶飲料を購入していました。タカシはその場で缶飲料の蓋を開けようとはせず,なぜかロッカールームに向かいました。不審に思った私はタカシの後をつけました。タカシはロッカーを開けると,おもむろに薬入れ(ピルケース)を取り出しました。薬入れは敷居で分けられており,いずれにも白い錠剤が入っていました。タカシは錠剤を指で摘み上げると口に運びました。どうやら投薬のお時間だったようです。タカシは薬を飲み終えると布団が敷かれた暗闇にひっそりと戻っていきました。

私にはあの錠剤が病院で処方された薬にしか見えませんでした。薬入れを使っていることから長期に渡って服用しているようです。時間によって飲む薬の組み合わせが違うのかもしれません。何より気になったのは,タカシは極端に痩せこけており,その程度は明らかに病的だったということです。そんな危なそうな人物がばい菌部屋には紛れ込んでいるのです。大変,恐ろしいことです。