2005-07-25 おさんぽ練習帳―小熊の生態―
某日,市内野外系スポットを調査してきました。そこで私はある小熊の生態を調査することができました。
調査員はガイドさん
某所に到着したのは17時すぎのことでした。事前調査によるとその場所の近くにはゴミの埋立地があり,普段ほとんど人が近づかないそうです。
虹色業界人が集まる場所へ行くには,ある駐車場から歩かなければなりませんでした。私は駐車場で準備をしていると,一匹の小熊と遭遇しました。小熊の話によると初めて来たのだそうです。話題の場所だからちょっと見に来たのだそうです。
私はどういうわけかその小熊と行動することになりました。なんら珍しいことではありません。こういう場所で私は即席ガイドさんになってしまうのです。
臆病な小熊
虹色業界人たちが集まるという堤防に辿り着くためには,獣道を通らなければなりませんでした。
「この茂みを通るんだね。蛇でも出そうだね」と話しながら歩き始めたのですが,振り返ってみると小熊は茂みの入り口で立ち止まったまま動こうとしませんでした。
「どうしたの?」と尋ねてみると小熊はこう言いました。
小熊 「だって蛇,出るんでしょ」
「大丈夫よ。いらっしゃい」と私は手招きしました。「本当に蛇が出たわけじゃないし,蛇が出たとき考えればいいんじゃないの?」と説得すると小熊はようやくついてきてくれました。
さて小熊がその気になったのは良かったのですが,しばらくして今度は暴れ出しました。「どうしたの?」と尋ねてみると,蜂が飛び回っていて怖いと言うのです。私は「蜂よりもアンタの顔の方が怖い」と言ってやろうかと思いました。言ってないけど(なぞ)。
やっぱり小熊だった
茂みを抜けるとコンクリートの堤防が現れました。すでに数人の虹色業界人が集まり,涼しい格好で日やけしていました。
<画像の説明>堤防の様子。
「ようやくついたね」と小熊に話し掛けようとしたのですが,小熊はなぜか後ろを向いていました。「何やっているの?」と尋ねてみると,小熊は突然おしっこをはじめたのです。縄張りを主張するためだったのでしょうか。それとも緊張すると尿意を我慢できなくなる体質だったのでしょうか。いずれにしても小熊の生理現象が収まるまで待つしかありませんでした。
私はこの場所を調査してみて,「公園や駅前便所とずいぶん違うな」と思いました。集まっていた虹色業界人たちが,ことごとく生活習慣病予備軍だったのです。郊外のおさかんスポットにはどうも運動不足の人間が集まるようなのです。
さてそうこうしているうちに,もうお日様が沈みそうになっていました。「そろそろ帰るけどどうする?」と小熊に尋ねると,小熊は「まだいる」と答えました。私はひとりで帰ることにしました。
小熊の生態
数日後,べつの場所で小熊と再会することができました。「あの日どうしたの?」と尋ねてみたのですが,小熊はあれから草むらでほかの小熊と,ばい菌の培養をしたそうです(毒)。
<画像の説明>小熊が「おいた」したと思われる草むら。
「ただ見に来たつもりじゃなかったの?」と問い質してみたのですが,雰囲気に負けてしまったのだそうです。まさに小熊だったのです。どうやら小熊のすべての行動は,○欲が支配しているようなのです。まったく野蛮な生き物なのです。
私は「この小熊を厳しく躾しないといけないのかな」と思いました。でも小熊はすでにほかの人に飼われているそうなので,飼い主は募集していないとのことでした。きっと小熊は私の躾がどれほど残酷か,本能で察したのでしょう。小熊は○欲が旺盛でみっともないのですが,そのような素直な一次欲求が身を守るのに役立つことがあるのでしょう。小熊の生態はすばらしいのです。