2006-02-27 携帯電話のUTF-8対応の罠
最近の携帯電話のブラウザ機能はUTF-8に対応しています。UTF-8に対応しているのだからUnicodeのすべての文字を表示できるように思えますが,どうもそうではないようです。
各社の対応状況
国内携帯電話キャリアのUTF-8の対応状況を調べてみました。
DoCoMoのiモードはFOMA 900iシリーズ以降からUTF-8に対応しています。VodafoneはP4(2)型以降(2003年モデル)からUTF-8に対応しています。
auのEZwebだけがUTF-8を扱えません。最新機種でも扱えないようです。
なおPHSのWillcomですがブラウザがOperaの機種はUTF-8に対応しているようです。NetFrontの機種は不明ですがたぶん対応していると思います。【追記 15 MAY 2006】 某氏から報告がありました。NetFrontもUTF-8に対応しているそうです。
取扱説明書を調べてみると
携帯電話でもUTF-8のサイトを表示できるようになってきていると言えるのですが,ひとつ気になることがありました。UTF-8に対応しているからといって,Unicodeのすべての文字を表示できるとはとても思えなかったのです。
フォントの容量の問題もさることながら,フォントには版権があるのです。すべて揃えると,それなりにコスト高になるはずです。「UTF-8に対応していても,じつはSHIFT-JISの範囲内のフォントしか持っていないのでは」と思って調べてみたら予想はだいたい当たっていました。
DoCoMoのWWWサイトからFOMAの取扱説明書(PDF)をダウンロードして,使える文字を調べてみました。付録ページに区点コードの一覧があるのでこいつを眺めれば一発で分かるのです。最近の携帯電話は中国語の漢字にも対応しているらしく,想像していた以上に扱える文字数は多いようです。
しかしながらSHIFT-JISを拡張したような体系であってUnicodeの文字数とは比較にならなかったし,CJK漢字すべてを網羅しているようにも見えませんでした。実際,Acrobatリーダの検索機能を使って一部の旧字を探してみましたが,見つからない文字がありました。
まだまだ調査不足
調査結果を踏まえると,携帯電話のUTF-8対応は「XHTML対応に合わせてUTF-8も解釈できるようにしました」という程度であって「多言語の文字を同じ画面に表示する」というUnicode本来の目的とは違うようです。
まだまだ調査不足です。今回は取扱説明書の区点コードの一覧を見ただけで,実機で表示確認したわけではありません。ほかに気づいたことがあったら続報をお伝えしようと思います。