2007-02-04  某地下サウナ―パパの湯の効能―

某日,市内某地下サウナを調査してきました。

螺旋階段の下はお花畑だった

そのサウナは,市内繁華街のホテルの地下1階にあります。そこは最果ての地です。昼も夜も,棺桶寸前のパパたちの社交場として賑わっている場所なのです。

地下サウナの生い立ちはちょっと変わっています。もともとは一般宿泊者向けの施設だったのだが,いつしか虹色業界人に実効支配されてしまったらしいのです。困りかねたホテルは地下サウナを分離し,ビジター専用にしたのだそうです。お金さえ払えば地下サウナはだれでも利用できますが,実際に利用しているのは虹色業界人だけだそうです。いつから,そうなってしまったのか気になりましたが,残念ながら調べられませんでした。

さて,受付でお金を払うと,お姉さんがタオルとロッカーの鍵を手渡してくれました。受付の隣には螺旋階段があり,地下サウナへの入り口につながっているようでした。私は螺旋階段を下りてみました。サウナは1960年代風の施設でした。ホテル自体,古い建物だからでしょうけれど,とっても古臭い感じがしました。

パパの湯

施設は小奇麗に清掃されており,古いものの極端に汚い感じはしませんでした。まがいにも,ホテルの一施設だからなのでしょう。

私はさっさと脱衣を済ませ,浴室に潜入してみました。ぎょっとしました。とっても狭かったのです。設備はひととおり揃っており洗い場,低温風呂,五右衛門風呂風のひとり風呂,水風呂,サウナがあったのだが各々,小ぢんまりとしていました。お風呂にも入ってみましたよ。お湯は水道水を沸かしたものらしく,家のお風呂と変わらない気がしました。

いよいよ問題のサウナに足を踏み入れることしました。入り口の窓ガラスから中を覗いてみたのだが,ヨコ漏れしました。なんとパパたちが堂々と戯れていたのです。事前情報では「恐ろしく過激な場所だ」ときいていたので覚悟はしていたのだが,まさか本当だったとは。

パパたちの行動は想像以上でした。最初,サウナの中で戯れていたのだが,盛り上がってきたのか浴室に傾れ込んできたのです。そして,お湯に浸かりながらもなお,お励みになっているのではありませんか。そうやって,お風呂は生命の源で満たされていったのです。

私ね,血の気が引きましたよ。だって私さっきまでそのお風呂に入っていたのです。「そのお湯,とんでもないものが混ざっていたのね。そういうお湯だったのね」と,諦めにも似た心境になりました。

パパの湯の効能

さらに驚くべき出来事がありました。

翌朝,「あれ?妙にすべすべしている」と思いました。全身の肌が潤っていたのです。あのお風呂,ただの水道水のはずなのになぜでしょうか。パパのだし汁が効いたのでしょうか。「まさかね」と思いました。でも,すべすべしていることは事実であり,それがパパの湯の効能であることは否定できませんでした。

私は以来,「発見,知られざる美肌の湯(びっくりマーク)」という触れ込みで,パパの湯の話を数人にしてみました。「気持ち悪い」「それ無理」などと罵られ,反応は散々なものでした。だれも信じてくれないのです。でも私,負けません(ふめい)。

あの地下サウナはもっと評価されるべきです。なにしろ世に生を受ける者の,生き抜く力が充満したお湯なのです。バスクリンじゃそんなお湯作れませんよ。「肌荒れ」「アトピー」「更年期障害」などなど,おもわぬ効能が期待できるのです(←どこまで本気なのやら)。だれか詳しい方,お湯を持ち帰って検査してみてください。私はもう嫌です(再三ふめい)。