2007-04-07  映画“裂け女”と弘田三枝子さんとの関係(ネタバレ注意)

某日,映画「口裂け女」を観てきました。最初から「駄作なんじゃないのかな」と思っていたのですが,本当に駄作だったので感想をお話します。

口裂け女を知らない人は,たぶんいないと思います。でも念のため説明しておきますね。口裂け女は1970年代後半に流行った都市伝説です。夕方の公園にマスクをした女性が現れ,子どもに近づきこう尋ねるのです。「私,キレイ?」と。口裂け女に遭遇した子どもは殺されてしまうという噂でした。

さて,映画版の口裂け女なのだが,内容は当時の噂とほとんど関係がありません。しかも話の整合性を合わせようと努力していない作品だと思いました。観ていてすごく違和感があったのです。最後に「じつは口裂け女って××ちゃんが昨日見た夢の話だったんだよ」というオチでも納得してしまうくらい,強引な展開だったのです。

以下,気づいたことを少々。

口裂け女は無敵である

映画版の口裂け女には,弱点がひとつもありません。唯一,口裂け女を足止めする方法は,なんとナイフで刺すだけです。当時の噂をご存知の方なら,「ポマードって3回言えば口裂け女は逃げ出すんじゃないの?」と思ったでしょう。私もそう思っていました。

ポマードもべっこう飴も,まったく登場しなかったのですよ。「100メートルを3秒で走る」という設定も無視されていました。映画版はまったく別の話だと思ったほうがいいです。

いちばん「これってどうなの?」と思った事柄は,口裂け女は社会病のようなもので,根絶が不可能という設定でした。以下,口裂け女の概要です。

  • 口裂け女は「怨霊」みたいなものであり肉体は存在しない
  • 口裂け女に憑かれた女性は口裂け女になってしまう
  • 口裂け女を殺しても,すぐほかの人が口裂け女になってしまう

いわば口裂け女は「子殺しの悪魔」なのです。口裂け女の殺戮行為そのものはさほど怖くなかったのですが,「口裂け女の連鎖は永遠に終わることがない」という「無限性」に気味の悪さを感じました。

口裂け女と弘田三枝子さんとの関係

以後は映画とはぜんぜん関係のない話です。

当時,「口裂け女の正体は美容外科手術に失敗した女性だ」という説がありました。私は美容外科の歴史など知らないので,過去にどんな手術方法があったのかも知りません。(昔は「美容外科」は確立されていなかったそうで,各々の先生が適当に考えた方法で手術していたらしいです。)

しかしながら,「どうも口を切る手術方法が存在していたのでは」と思わせる人物をひとり知っています。ミコたんこと弘田三枝子さんです。あの人の口元には縫い目があるように見えます。なぜ縫い目があるのでしょうか。「切った」から縫った,あるいは「切れた」から縫ったのではないでしょうか。

しかも口裂け女の噂と,弘田三枝子さんが整形手術を受けた時代はちょっと重なる気がするのですよ。「口裂け女って実在したんだろうな。闇に葬られちゃったんだろうな(毒)」ってこの映画を観て思いました。