2008-11-29  市内大衆浴場―アクティビストたちの暴走―

某日,市内某お風呂を調査してきました。ちょっと大変なことになってしまいました。アクティビストたちの暴走に巻き込まれてしまったのです。

延命治療を受けた廃墟

はじめに調査したお風呂の説明をします。そのお風呂は市内の僻地にあります。一説によると資産家の老夫婦が,道楽で経営しているお風呂なんだそうです。

お客さんはほとんどいません。私は21時から24時まで調査したのですが,その間に来たお客さんは(私を含めて)6人くらいだったと思います。どう考えても赤字経営なのです。

建物は1980年代前半のものらしい。1階が浴場で,2階以上が賃貸マンションという変わった造りでした。おそらく風呂とマンションの経営者が同じなのでしょう。

施設に潜入してみたのだが,延命治療を受けている廃墟のような雰囲気でした。繁盛していないせいか,まるで活気か感じられなかったのです。

真理子とヒロシ

私は体を軽く洗ってから,スチームサウナを調査することにしました。するとどうでしょう。すでに真理子とヒロシが乳繰り合っていました。

真理子は34歳くらい,ヒロシは41歳くらいだと思います(舘ひろし風の人だったので,ヒロシってことにしておきますね)。じつは真理子とは,駅前便所で過去に何度か話したことがあって言ってみれば「知り合い」でした。

さて,スチームサウナに入っていると湯気なのか汗なのか分かりませんが,顔が水まみれになってきます。私はたびたび手で顔の水気を拭っていました。そうやって,私が二人の動向に注視しなくなったときの出来事でした。お二人は突然,禁じられた行為を始めたのです。

私は「なに?なに?突然,始まっちゃったの?え?」と当惑しました。たしかに前兆はあったのです。真理子たちが乳繰り合っているときに,某個所をほぐしているように見えたのです。でも「まさかそんなはずがね。きちんと場所を弁えられる子よね?」と,真理子たちのことを信じていたのです。

アクティビストたちの暴走

私は事態の急展開に呆然としてしまいましたが,しばらくして正気を取り戻すことができました。「このままじゃいけないわ」と思いました。真理子たちは,某ゴム製品を使わずに交渉していたのです。

一旦,調査を切り上げロッカーへ走りました。「多い日でも安心セット」を取りに行ったのです。あの有様をどうして放っておけるというのでしょうか。いま真理子は,着床の危機に瀕しているかもしれないのです。「余計なお節介になるのかもしれないけれど,いま何もしなかったら一生後悔するかもしれないわ」と思ったのです。

ところがスチームサウナに戻ってみると,すでにばい菌の培養は終了してしまったらしく,二人は何食わぬ顔をしていました。ヒロシは用事が済んだからなのか,さっさと帰ってしまいました。

私はがっかりしました。真理子がこれほどまでの自虐行為に及ぶとは,想像していなかったのです。「二人ともアクティビストだったのかな」とも思いましたが,本人に尋ねるわけにはいきませんでした。伝聞ですが,アクティビスト同士が了解の上でそういうことをするのは珍しくないそうです。

とても後味の悪い調査になってしまいました。これからサウナを調査するときは,浴室まで安心セットを持参しなければならないのかもしれません。「富山の薬売り」みたいな話になってきましたね。気合が入りすぎているようで嫌なんですけれど,いまのご時世を考えるとやむを得ないのかもしれません。こうやって私は,だれも理解できない上級者になっていくのでしょうね(なぞ)。