2009-02-28 某映画館―新生物ポリリズム妖怪―
お話するのが遅れました。新年早々,某映画館を調査してきました。幸か不幸か,新生物を発見してしまったので,その生き物のお話をします。
この映画観たことある
調査した映画館は,以前も何度かお話したことのある映画館です。虹色業界人向けの施設ではないのですが,女装子や妖怪たちの社交の場と化しています。
館内に潜入したまでは良かったのだが,上映されている映画を一目観て「しまった」と思いました。過去に一度,観たことがある映画だったのです。たとえ大人向けの映画であったとしても,それが作品であることには変わりありません。映画鑑賞も楽しみにしていたのに,少しがっかりしてしまいました。
さて,そんなことを言っている場合ではありませんでした。劇場内には数人の妖怪と,少女が潜んでいるようでした。そして不定期に,「ガサガサ。ガサガサ」という奇妙な音が鳴り響いていました。私は音の正体を調査することにしました。
決断を迫られた少女
音の正体を突き止める前に一旦,退席することにしました。
劇場とトイレまでの廊下は喫煙所を兼ねており,一脚のディレクターチェアが置かれていました。私はその椅子に腰掛けて,一服することにしました。私は普段,煙草を吸いません。でもああいう場所では,キャラを作るために紫煙をくゆらすことがあるのです。
場内も騒がしかったのだが,廊下も賑やかでしたね。悪い油に中ったかのようにトイレに何度も出入りする少女と,その少女を追い掛け回すパパと妖怪の姿がありました。少女は選り好みが激しいのか,高望みしすぎなのか,どちらも同じ意味ですが(なぞ)なかなか交渉が成立しないようでした。
ところが,お高く止まってはみたものの周りがばたばたとデキ出して,このままでは自分が残り物になってしまうと悟ったのでしょう。最後は半分溶けている妖怪と,個室でばい菌を培養していたようです。
残り物同士,まとめて片付いてくれたので,私にとっては都合が良かったです(再三なぞ)。
新生物ポリリズム妖怪
廊下での調査を終えて,場内へ戻ることにしました。
入り口の扉を開けると,またあの「ガサガサ。ガサガサ」という音がしていました。私は,後部座席から観察することにしました。後部座席からは,場内を一望できたのです。音の正体はすぐに分かりました。
一匹の妖怪が,股間にポリ袋を被せていたのです。そして,映画が濡れ場になるたびに「ガサガサ。ガサガサ」という騒音を立てていたのです。「ポリ袋はいらないんじゃないの?」と思ったのですが,だからといって妖怪からポリ袋を取り上げるわけにはいきませんでした。そんなことをしたら,おそらくあの妖怪は死んでしまったことでしょう。
私は,「こういうのをポリリズムって言うのかな」と思いました。ポリリズムだけではなくて,「ポリループ」もしていたので(何しろしつこかったのです),あながち間違いではない気がします。
使用済みのポリ袋が,どう処分されたのかまでは確認できませんでした。もしかしたら,あのポリ袋はじつは下着であって,被せていたのではなくて穿いていたのかも。今となっては確かめようがありません。確かめられたからといって,何の意味もありませんが(ふめい)。