2010-06-16  ばい菌部屋都市伝説―ポンキッキが開いた瞬間を見た―

ばい菌部屋には,数多くの怪談があります。今回は他聞を含め,ばい菌部屋に纏わる気味の悪い話をしてみようと思います。

ばい菌部屋で死んだらどうなる?

この話は,過去にも少ししました。年配者向けのばい菌部屋では,おじいちゃんが腹上死してしまうことは珍しくないそうです。

本当に昇天してしまったおじいちゃんは,朝,発見されます。そのあと,おじいちゃんの遺体はどういった経緯で帰宅するのでしょうか。

まず,ばい菌部屋は警察に届けるそうです。警察はそういう店だと知っているので,手続きは速やかに進むそうです。

警察は,おじいちゃんが死んだことを遺族に告げなければなりません。「おじいちゃんね,旅館に泊まっているときに,発作を起こしてしまったようなんですよ」なんて説明をするそうですよ。

そういえば,その手の年配者向けの施設は,「××旅館」という名前が多い気がします。旅館の正体はさておき,警察の説明は嘘にならないわけです。

おじいちゃんの亡骸が搬送されると,ばい菌部屋ではお線香が焚かれるそうです。たしかに,某店がたまに線香臭いという報告があるのです。

「本当なのか怪しい」と思った人がいるかもしれません。

ひとつはっきりしていることは,死んでから長期間,放置されることはないということです。「生涯,女優でいたい」という人にとって,そんなに悪い死に方ではありません。

アラブ3Lと夢の世界で

これは私の体験談です。

某日,市内某ばい菌部屋を調査してきました。

時刻は,たしか午前2時くらいだったと思います。みなさん,ひと通り用事を済ませたからなのか,店内は静かになっていました。私は調査員なので,迷路やら某ブランコやらを調査することにしました。

するとある部屋から,「すげーすげーすげーすげーすげーすげーすげーすげーすげーすげーすげーすげーすげー」という奇妙な掛け声が漏れていることに気づきました。

その場所では,40代のガチムチ兄貴が,お独りでがんばっていました。ただ,私は状況を把握すると同時に目が点になってしまいました。

ガチムチ兄貴は,子どもの腕ほどの真っ黒なおもちゃに跨っていたのです。たぶんアラブ3Lという商品だと思います。

ガチムチ兄貴は,亜硝酸アミル類の入った小瓶を吸引しながら,小刻みにスクワット運動していました。そして,「すげーすげーすげーすげー」と連呼していたのです。あまりに奇妙な光景だからなのか,周りの人はことごとく無視していました。

しかし,私は違いました(ふめい)。

私は,「いまこの人は,夢を見ているのよね.。目がピカピカしたり,黒い玉に吸い込まれていたり,音が見えたりしている状態なのよね」と思ったのです。「この人の夢の世界を壊しちゃいけないんだ」とすら思ったのです。

私は,ガチムチ兄貴の夢の世界が充足する(俗に「ポンキッキが開く」)のを見届けることにしました。

それから一体,何十分経ったのか分かりません。ガチムチ兄貴は,粘りつくようなスクワット運動を止めると,私に向かって「ありがとう」と呟きました。そして,立ち去っていきました。ポンキッキが開いた瞬間が,そこにはあったのです。

余談ですが,私は帰宅途中,軽い頭痛に襲われました。亜硝酸アミル類の残り香を吸ってしまったからだと思います。いやはや,ヨコ漏れです。