2011-12-04 ばい菌部屋報告―小瓶狂いの少女たち―
ばい菌部屋報告,今回は「小瓶狂いの少女たち」と題して,最近,私が遭遇したちょっと危ない人たちのお話しをします。
小瓶狂いの少女
正確には,ばい菌部屋ではなくてサウナです。この際,細かな区別に大した意味などないでしょう。
某日,某地下サウナを調査していたときの出来事です。40代前半,短髪・全身日焼けという,よく訓練された風貌の少女が,サウナ室に姿を見せました。少女は,ポーチを小脇に抱えていました。
私はすぐに,「この人,なんだか怪しい」と思いました。サウナの中に,お道具袋を持ち込む人は,滅多にいないのです。
少女は,ポーチのジッパーを下ろすと,中から茶褐色の小瓶を取り出しました。
そして,「カシャカシャカシャ」という音とともに小瓶の蓋を開けると,「スーハー・スーハー」はじめたのです。実際には,息を吸ったり吐いたりするのではなくて,ひと嗅ぎした後,浸透させるためにしばらく息を止めるものなのですが(なぞ),生々しくなるといけないので細かな描写は控えます。
さて,私は,冷静でした。
「こんな暑い場所に持ち出したら,すぐ蒸発しちゃうでしょう。ソレ,いくらで買ったのか知らないけれど,大事にしなさいね」(←みのもんた風に読むこと)と思ってしまったのです。
ただね,その人,たぶん20代,30代の頃は,超が付く売れっ子だったんじゃないかなと思うんですよ。賞味期限が切れたから,この手の場所では我を忘れて遊ぶ,という姿勢は評価できると思いました。
でも,ほどほどにしておかないと,そのうち捕まると思うんですけれどね。
ばい菌部屋のキメ子さん
市内某ばい菌部屋を調査したときの出来事です。そのばい菌部屋は,2階建ての一軒家です。中高年がよく集まります。
時刻は22時くらいだったと思います。40代前半の太めの人が現れました。どうやら,その人はキメ子さんだったらしい。完全に挙動不審でした。
かなりの有名人なのか,一部の人たち(おそらく常連)は,関わらないようにしているようにすら見えました。私,そのお部屋は年に1回調査するか,調査しないかという程度だから,だれが常連なのかよく知らないのよね。
さて,そのうちキメ子さんたちのヨコ漏れが始まったのですが,なんだか異様な雰囲気でした。キメ子さんは,某小瓶をお相手に嗅がせていました。
そして,「△○■□■■×□!!!△△×■■○▲???」と言ったのです。
呂律が回っていないらしく,よく聞き取れなかったのですが,どうやら,「本物のキイロだから,よく効くだろう?」と言っていたようでした。
しかもね,なんだかオラオラ系で凄かったの。傍観するだけなら面白かったの。
私は,「あなたは永遠の若者ね」と思いました。
タウリン少女
某地下サウナでの出来事です。
その人は,50代。ラウンジのリクライニングシートに座り,ぼんやりとテレビを眺めていました。少女は,リポビタンDを飲んでいました。
ここまでなら,べつに変じゃなかったんですよね。
私は,少女の足元に,リポビタンDの空き瓶が2本転がっていることに気づいて,ぎょっとしました。少女は,3本目を口に運んでいたのです。
私は,「それ,気付け薬なのかな」と思いました。
見た目はリポビタンDだけど,中身はおかしな興奮剤なのではないだろうか,と勘ぐったのです。
しかし,少女は3本目を飲み干したからといって,パキパキした挙動をしているわけではありませんでした。さらには空き瓶を使って,これから悪さを始める様子でもありませんでした。
おそらく,リポビタンDを3本パックで買ってしまったものだから,無理してでも飲んでいたのでしょう。
それにしても,タウリン少女は,リポビタンDを飲んで元気になるどころか,むしろ眠りに落ちているように見えましたね。地下サウナに入り浸っているような人は,半ば溶けていますからね。
民生品ごときでは,しゃきっとしないのでしょう。