2024-08-31 ばい菌部屋潜入調査―残された課題―
私は調査員として日々,活動しています。私は好奇心が旺盛な人間なのです。
そんな私にも潜入を諦めている店があります。それは太目の人間を対象にした市内某ばい菌部屋。
この店は体重の軽い人間はお断りなのです。私がこの店の適正体重になるには体重を50kg増やす必要あり。ここまではっきりと難易度が高いと,悪足掻きしようとすら思いません。
閉店間際であれば,体重が足りなくても入店できるという噂があります。しかし,この噂の出所は「条件を満たさない客を入店させないで欲しい」という利用者からの苦情によるものです。
さて,自分が潜入調査できないのであれば,他人に入店させればよいのです。某地下サウナでの知り合いである「くまモンさん」から,店の様子を聞いたことがあります。
- あの店は,どいつもこいつも寝待ちしていて面白くない
- ずっと寝ているのかと思ったらそうでもなく,閉店時刻が近づいて帰ろうとした頃にようやく活動を始める
- 場を盛り上げようという気迫に欠ける
というわけで状況は芳しくないようです。
早朝にお爺ちゃんの死体を目撃しないだけ,いくらかマシだと考えるべきなのか。余談ですが,私はこの手の店に朝までいたことがないので,遺体安置所と化した現場に遭遇した経験はありません。
どこからか「嘘つき」という声と共に石が飛んできそう。(なぞ)
2024-08-25 某銭湯を潜入調査
ある土曜日,市内某飲食店で早めの昼食を取ることにした。その足で某銭湯に向かい潜入調査を決行。
以前は14時開店の銭湯だったはずだが,いつの間にか開店時刻が11時に変わっていた。
店に到着したのは午前11時5分前。店の前には開店待ちの行列ができていた。女7人,男2人。みなさんご老人。
開店と当時に,老人たちは我先にと言わんばかりに番台に駆け込んでいった。ひとりの老婆に至っては持参していた手押し車を投げ出すかのように,玄関に放置する有様であった。老人たちを惹きつける一番風呂の魅力とは一体,何なのだろうか。
この日,昼の番台は若大将だった。若大将は以前より痩せたように見えた。相変わらず動作がパキついており,どことなく雰囲気が怖い。
私は風呂に入る前に小用を済ませることにした。そうやって準備に手間取っている間にも,続々と客が入場していた。
男湯の洗い場には年配者5人と刺青の入った35歳くらいの男がいた。その後,坊主頭32歳くらいの男が現れ,地下サウナに入っていった。
私は洗い場で頭と体を洗った後,地下サウナを調査することにした。サウナにいたのは,さっき見掛けた坊主頭の男とお爺ちゃん1人。どちらも不審な点はないように見えた。坊主頭の男は,水風呂に潜ったり体がずぶ濡れのままサウナに入ったりと行儀が悪い。どこにでもいる下衆な男であった。
洗い場に戻ると,向かい側からはお婆ちゃんたちの笑い声が絶えない。ここは老人たちの社交場なのである。そのとき私は,老人たちが一番風呂を目指す理由が分かった気がした。
調査開始から30分が経過。まだ早い気もしたが帰ることにした。
脱衣所で体を拭いていたら,刺青の男が上がってきた。男は荷物から二つ折りの携帯電話を取り出すと電話を掛け始めた。「今日は弁当が腐るぞ。××××(聞き取れず)の近くに車を停めるな」といった話をしていた。
刺青の男は電話を掛けている最中,全裸姿で扇風機の風を浴びていた。べつに見せつけていたわけではないが,一体何がこの人物をこうも太々しい態度に駆り立てるのか。電話の相手は,いまこの男がオチンチンをブラブラさせながら電話を掛けていることを知っているのだろうか。目の前で起きていることを整理してみると,悩みごとが増えそうな事案であった。
2024-08-18 最近の出来事
道端でiPhoneを拾う
近場のスーパーマーケットに行ったときの出来事。スーパーマーケット近くの交差点にiPhoneが落ちていました。iPhoneを拾い上げてみたらiPhoneの電源は入っており,ロック画面が表示されました。
ケースに張られている装飾品の雰囲気から,持ち主は若年者らしい。私はiPhoneを近くの建物の壁に立て掛けておくことにして,ひとまず買い物をすることにしました。
買い物の帰りiPhoneがまだあったので,私はiPhoneをもう一度,拾い上げて近くの交番に持って行くことにしました。
すると前方から,如何にも落とし物を探すような素振りをしている少女が歩いてきました。年齢は19歳くらい。デビュー当時の谷村有美みたいな感じの子。運動経験がないのか,姿勢が悪くグニャグニャした感じの歩き方をしていました。
尋ねてみたらiPhoneを落としたと言うので,その場で返しました。交番で拾得物の手続きをするとえらく面倒なので,手間が省けました。
すき家の危機
土曜日,すき家に行ってきました。
店に入る前,自動ドアに不穏な注意書きが張られていることに気付きました。
悪天候により食材の輸送に支障が出ており,提供できる料理の品目が大幅に減っているとのこと。
私は構わず入店しました。店内にはお客さんがひとりいただけ。備え付けの端末で状況を確認してみたら,いつも注文している朝食メニューは全滅でした。まさに,すき家の危機だったのです。
仕方がないので「山かけ牛皿定食」を注文。この定食は,しょっぱい漬物が出てくるので難ありなのですが何しろ今日は,すき家の危機です。贅沢を言っている場合ではありません。
地下アイドルのイベントに巻き込まれる
市内某ゲームセンターの一角には,小さなライブ会場があります。
日曜日, そのゲームセンターを散策していたらライブ会場で催し物が開催されていました。調査してみたら,先月デビューしたばかりのいわゆる地下アイドルのイベントでした。男の子5人のグループ。
丁度,握手会のようなものをしていました。私は少し離れた場所で眺めていました。そのうちこちらに主催者と思われる人物(30代女)が近づいてきました。女が言うには「先月デビューしたばかりなんです。応援してください」とのこと。
私は「お前が胴元か」と思いながら,なおも静観を続けました。
どの程度のファンなのか分かりませんが,握手会に参加していたのは18歳から20歳代前半の少女。
私は,夢を売る仕事をしている男(プロ)に現を抜かす暇があるなら,身近な男と親密になる努力をした方が幸せになれるんじゃないかなと思いました。
まあそうは言っても,若者は若者であることの価値が自分では分からないものです。周りが何を言っても無駄。なるようにしかならないのでしょう。
2024-08-11 ヴァーチャルY兄貴―肉を喰らう―
毎度,忘れた頃にご登場,ヴァーチャルY兄貴だ。オラオラ。
晩飯に肉を食いに行ったぜ。イタリアンの店らしいのだがパスタやピッツァの類は一切,頼まずステーキを注文。
窓際の席に案内されたのは良かったのだが,良かったのはそこまで。窓からの眺めが酷すぎて,さすがの俺でも閉口した。こんな殺風景なビルの屋上を見せられたんじゃ「お食事」って感じじゃねーぞ。
だれかを誘って飯を食いに行こうかとも思っていたが,ひとりで来て正解だった。何を言われるか分かったもんじゃねーからな。
そうやって呆れ返りながら前菜のサラダというか野菜に油を掛けただけの料理を摘まんでいたら,店の奥から若い男女のカップルが出てきた。ふたりとも24歳くらい。これから帰るところのように見えたが,「この男この後,振られるんじゃねーか?」なんて他人事ながら心配してしまった。
さてステーキの味の話。肉の質は良かったものの,ソースの味がエバラ焼肉のたれにそっくり。不味くはないが,わざわざ店に来て食べるような代物ではない。肉の焼き加減も好みではなく残念な結果。一見客への嫌がらせだったのだろうか。
険しい顔をしながら肉を喰らっていたら,そのうちと続々と予約客が現れたものだから俺は困惑した。わざわざこの店を選んで来店している人間がいるのである。肉を頼んだ俺が悪いのか細かいことを気にしすぎているのか。俺はもう逃げるように退散するしかなかった。
完全なる敗北である。オラオラ。
2024-08-09 若者向けばい菌部屋潜入録―その2―
7月下旬,市内某若者向けばい菌部屋に潜入調査したという話をしました。
その後,再調査を決行してきました。
息遣いが一緒
今回も土曜日の昼に潜入。
受付は前回と同じ人でした。受付は現金を手渡しするための小窓しか開いていません。相手の顔は一切,見えないのです。でも間の取り方とでもいうのか,息遣いが一緒だったので同じ人物だと分かりました。
催促される前に身分証を出してみましたが,従業員は見ていなかったようです。良いのか悪いのか分かりませんが,1回お店を利用しただけで覚えられてしまったのでしょう。昼から意気揚々と来る客が珍しいのであれば,記憶に残り易いのかもしれませんね。
ヨゴレの子たち
時刻は12時半すぎ。店内にはだれもいませんでした。今回は寝待ちして時間を潰す作戦を取ることに。
備え付けのマットレスの上に横になってはみたものの,前回と同様に冷房が効きすぎていて寒い。店内に鳴り響く音楽も相まって,とてもではないけれど眠れる状況ではない。受付で渡されたタオルはシャワーを浴びた際に使ってしまい濡れていたので,私物のタオルを体に掛けて暖を取ることにしました。「予備のタオルまで準備していたのね」と思った人がいるかもしれません。私は伊達に場数を踏んでいないのです。
14時半が過ぎると続々と来客あり。この傾向は,某地下サウナとよく似ています。おそらく昼食を採ってから「今日これからどうしようか」と考えながら,取り敢えず繁華街に来てなんとなく入店しているのではないかと想像できますが,聞き取り調査したわけではないので正確には分かりません。
こうなってくると,もう寝待ちしている場合ではありません。私は起き上がり店内を散策することにしました。
最近の子たちの特徴なのか,どの子もヨゴレみたいな見た目なんですよね。事前に髪を切ってくるだとか,自分を良く見せようという発想は微塵も湧かないのか。しかも恐ろしいことに,どうやら生派のご様子。世の中,進みすぎているのか何なのか私には理解できません。
さて,みんな入店時に受付の審査を通った子たちなので外観の粒は揃っていました。下は22歳あたり,上は35歳くらい。お腹が膨らんでいなければ入店を許可している感じに見えました。太目の人間は門前払いされているのか,ひとりもいませんでした。
某ジムのお風呂にて
15時あたりから雪崩のごとくお客さんが増えてきたので,私は帰る準備を始めました。引き際が肝心なのです。何しろここは若い子向けのお店。中年がこのまま長居していたのでは,完全に厄介者扱いされてしまいます。
勘違いしてはいけないのが,何もしなければ大丈夫なのではありません。場違いな人間は,そこに存在することがすでに許されないのです。
ばい菌部屋を退店後,私は某ジムに向かいました。お風呂に入りに行ったのです。
某ジムのお風呂はいつもの顔ぶれでした。まるで自宅に帰ったような安心感がありました。言い過ぎじゃなくて本当に。
ジムにも当然,若者はいるのですが,ばい菌部屋で見掛けたヨゴレみたいな見た目の子は皆無。いつも思うことですが,この差は一体何なのか。
この謎を解明しようとすると途中経過を聞いただけでも不幸になる人が続出しそうなので,この話題には触れないようにしましょう。(なぞ)
2024-08-03 Wさんのポン中疑惑が晴れる
某日,市内某地下サウナでWさんに遭遇しました。
5年ほど前から「Wさんは覚せい剤を使っているのではないか」と心配している人がいまして,その話を聞いてから私なりに気にはなっていました。
私は断言できます。Wさんのポン中疑惑はシロです。
その日,サウナの休憩室でWさんはうたた寝をしていたのです。ヒロポン中毒の人間がお風呂から出て寝転がっているうちに,うっかり眠ってしまうなんてあるでしょうか。ちょっと想像できないんですよね。
Wさんのポン中疑惑が晴れて,日々の心配事がひとつ片付いた気がします。